『はいからさんが通る』や『ベルサイユのばら』にも…70年代名作少女漫画に登場した“脇役で成立したカップル”たちの画像
フェアベルコミックス『ベルサイユのばら』第1巻(フェアベル)

 一昔前の少女漫画の多くは、美しいヒロインと爽やかな青年の純愛が描かれており、2人の間を引き裂こうとするライバルや、ヒロインに片思いをするイケメン青年などもよく登場した。そんな作品たちのなかには、主人公の親友やライバルが思わぬ形でカップル成立となる場面もある。主役のように目立つ存在ではないものの、脇役たちの思わぬ恋の成就にホッとした読者も多いのではないだろうか。

 今回はそんな脇役たちの幸せな恋愛成就ストーリーを、70年代の名作少女漫画から紹介したい。

■紅緒の強い味方同士がくっついた『はいからさんが通る』環&鬼島

『はいからさんが通る』は1975年〜77年に『週刊少女フレンド』(講談社)で連載された、大和和紀氏による少女漫画だ。

 主人公・紅緒の親友である北小路環は、華族出身の美しく聡明な女の子。「わたしたちは殿方にえらばれるのではなく わたしたちが殿方をえらぶのです」というセリフは有名で、大正時代には珍しく自立した女性として描かれている。

 そのお相手となるのが、紅緒の許嫁・伊集院忍の部下である、隻眼の強面イケメン・鬼島森吾だ。気性の荒い性格の鬼島は紅緒と行動をともにするなか、環と出会う。

 はじめはお互い気の強い者同士で反発していたが、一緒に紅緒や忍を守る行動をとるうちに惹かれ合っていく。紅緒の結婚式後に良い感じになった2人だが、あらくれ者である鬼島は、華族である環とは不釣り合いだと満州へ旅立つことに。しかし鬼島のことを忘れられない環が満州まで追いかけ、ついに結ばれるのであった。

 環と鬼島は紅緒と忍を最後までサポートし、ときには身を挺して主人公2人を守ってくれた存在だ。美男美女のカップル成立に喜んだファンも多いと思う。ちなみに、鬼島の過去と環が恋人同士になるエピソードは『はいからさんが通る』番外編「鷺草物語(さぎそうものがたり)」に掲載されている。

■オスカルも心から安堵した『ベルサイユのばら』ロザリー&ベルナール

 1972年から『週刊マーガレット』(集英社)で連載された、池田理代子氏の名作『ベルサイユのばら』でも、脇役カップルが誕生している。

 不慮の事故で母親を失った少女のロザリー・ラ・モリエールは、主人公・オスカルのいるジャルジェ家に引き取られて以降、オスカルを献身的にサポートする。そのうちに恋愛感情に似た愛情を持つものの、それが成就することはなかった。

 そんななかロザリーは、貴族を憎み「黒い騎士」に変身し、貴族から盗みをおこなうベルナール・シャトレと出会う。ロザリーはオスカルを守るためベルナールを撃ちケガを負わせるも、介抱するうちにお互いの境遇が似ていることや、貴族に対する複雑な思いがあることを知り、惹かれていくように。

 最後は「すきに…なってもいいか…?」とのベルナールからの告白を受け入れるロザリー。2人が口づけをかわすのを、優しくドアの隙間から見つめるオスカルであった。

 当初ロザリーは、オスカルのことを本気で愛している様子を見せていた。おそらく、それを受け入れられない葛藤もあったのだろう。ロザリーがベルナールと結ばれたことで本当に安心できたのか、その後オスカルは近衛隊を辞め、己の信念のもとフランス革命へと突き進んでいくのが印象的だった。

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