大人気ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に登場した新ポケモン・オーガポンは鬼のような“仮面”を被っているが、実はその素顔が非常に可愛いかったことで話題を呼んだ。オーガポン同様に、漫画やゲームに登場する“仮面”キャラのなかでも、素顔との激しいギャップに思わず驚かされてしまう面々について見ていこう。
■クールさと愛くるしさを併せ持つ孤高の騎士…『星のカービィ』メタナイト
1992年にゲームボーイソフトとして発売された『星のカービィ』(任天堂)は、その凄まじい人気から今もなお数々の続編が生み出され続けている。本作に登場する“仮面キャラ”といえば、カービィの仲間であり、ときにはライバルにもなるメタナイトだろう。
メタナイトがはじめて登場したのは、1993年に発売された『星のカービィ 夢の泉の物語』で、以降はデデデ大王と並んでシリーズのレギュラーキャラクターの一人として、たびたび姿を見せるようになる。
カービィと同様の“一頭身”のキャラなのだが、仮面で素顔を隠し、マントを翻し剣を振るう姿は非常にかっこいい。一人称も「私」で、部下からの信頼も厚い屈指の実力者として描かれている強キャラだ。
そんなメタナイトの仮面の下の素顔は、なんとカービィそっくり。ボス戦で撃破した際などにその素顔を見ることができるのだが、黄色い目と青黒い体が非常にシンプルで可愛らしい。
シリーズによって色の違いはあるものの、基本的に“カービィそっくり”という点は変わらない。あまりにも似ていることからその正体を考察するファンも多いが、未だにはっきりとした答えは分からずままだ。
ちなみに、2016年に展開された「カービィカフェ」では、「メタナイトが夜な夜なこっそり食べてるパフェ」という衝撃のメニューが公開され、彼が実は大の甘党であることも判明している。
クールに立ち振る舞う姿が実にかっこいい一方で、一頭身の愛くるしい素顔や、甘いもの好きという可愛らしさを随所に秘めた、なんとも面白いギャップを持つキャラクターである。
■覆面の下はやはりイケメンに限る? 『るろうに剣心 ー明治剣客浪漫譚ー』外印
1994年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された和月伸宏氏の『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』は、今もなおアニメ展開が続いている大人気漫画だ。個性的な剣客たちが激戦を繰り広げる本作でも、素顔に凄まじいギャップを持つ仮面キャラクターが登場している。
「人誅編」では主人公・緋村剣心に復讐を誓う数々の敵キャラクターたちが立ちはだかるが、その一員として姿を現したのが“仮面”で素顔を隠した男・外印だ。
外印は全身黒ずくめの“黒子”のような装束に身を包んでおり、顔には“髑髏”をかたどった覆面をつけている。男性であるということ以外、いっさいの素性が謎に包まれているものの、その見た目に反して性格は非常に気さくでどこかお調子者な一面も覗く。
ミステリアスな立ち振る舞いにファンもその素顔に期待を膨らませていたのだが、あらわになった顔はなんと深いしわが刻まれた“老人”であった。
無意識に美形をイメージしたファンたちにとってその素顔はなんともショッキングだったようで、連載当時「なぜイケメンにしないのだ」というクレームが殺到したという。
実はこれ、作者の和月氏が「美形なら顔を隠す必要もないだろう」ということから、あえて老人という設定にしたそうなのだが、いまいち受け入れられなかったようだ。
このクレームを受け、以降は和月氏も考えをあらためたのか、のちに発売された“キネマ版”では若々しい美形キャラクターとして生まれ変わっていた。作者の理論にもどこか納得できる反面、やはり“覆面”の下に美形を期待してしまうのも、ファンの心理ということだろうか。