一条ゆかりの『砂の城』に津雲むつみの『風の輪舞』も…ドロドロ展開の「昼ドラ」で視聴者を夢中にさせた少女漫画の画像
フラワーコミックス『砂時計』第1巻(小学館)

 少女漫画は、ときにドロドロな展開を見せるストーリーも多い。禁断の恋、好きな人の衝撃的な過去、姉妹で奪い合う婚約者……。現実にこんなことがあったら大変すぎるシチュエーションなのだが、漫画だからこそドキドキしながら楽しんで読むことができるのだろう。

 そんなドロドロの展開を見せる漫画はときにドラマ化もされ、漫画とは違う世界観で楽しめた。ここでは昼ドラをはじめ話題となった、禁断のシチュエーションが描かれた少女漫画を3選紹介する。

■兄妹の禁断愛を描いた『砂の城』

 一条ゆかりさんの『砂の城』は、少女漫画雑誌『りぼん』で1977年から掲載された作品である。

 富豪の娘として生まれたナタリーは、屋敷の前に捨てられていたフランシスと本当の兄妹のように育つ。やがて成長した2人は結婚を誓い合うが、周囲に反対されたため海に身を投げてしまう。一命を取り留めるも離れ離れになった2人。だが、運命の糸に手繰り寄せられるように数年後に出会い、新たな物語がはじまる……というストーリーだ。

 本作は1997年に、東海テレビ制作・フジテレビ系列でドラマ化された。漫画ではフランスが舞台となっているが、ドラマでは昭和時代の日本を設定とし、ヒロインを大場久美子さん/森下涼子さん、比羅夫(ヒラフ)役を元光GENJI佐藤アツヒロさんが演じた。

『砂の城』はヒロインだけではなく、その後の子どもたちの活躍まで描かれているため、ドラマでは途中で俳優が変わる。当時、筆者もドラマを見ていたが、年齢を重ねた設定でヒロイン役が交代すると、ちょっと混乱したことを覚えている。

 親子に渡る壮大な恋愛ストーリーをリアルにドラマ化するのは、少々難しかったのかもしれない。しかし、許されない恋や身分の違いなど、まさに昼ドラ的要素が盛りだくさんの内容で、当時人気を博していた。

■14年にも及ぶ壮大な恋愛劇…映画化もされた『砂時計』

『砂時計』は小学館の漫画雑誌『Betsucomi』にて、2003年から掲載された芦原妃名子さんによる作品だ。

 主人公の杏は、両親の離婚により母親の実家がある島根に引っ越してきた。当初は田舎の生活に慣れなかった杏だが、その土地で育った明るい大悟と出会い、前を向くようになる。その後2人にはさまざまな困難が襲い掛かるが、それに立ち向かいつつ、幸せを探して奔走していく……という、14年間の恋愛物語を描いた切ない作品である。

『砂時計』は2007年TBS系列“愛の劇場”でドラマ化され、翌年には杏役を松下奈緒さん/夏帆さん、大悟役を井坂俊哉さん/池松壮亮さんで映画化された。

 映画でも漫画の原作同様、2人をはじめとした島根で出会う4人の幼馴染が、恋愛や葛藤、人生の挫折などを12年間にわたって展開する壮大な物語になった。本作は漫画やドラマ、映画でもメッセージ性の強い作品である。生まれ育った環境が人に与える影響とは?本当の愛とは何か?など、見る人に投げかける名作だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3