■鬼も怖いけど…吾峠呼世晴氏の「偽者の身内でもすぐ見抜けて便利」
最後に紹介するのは、『鬼滅の刃』で知られる吾峠呼世晴氏による『週刊少年ジャンプ』目次コメントだ。近年の映画やアニメのヒットで知られる『鬼滅の刃』だが、漫画は2016年から2020年まで『ジャンプ』で連載された。『ジャンプ』では、巻末に目次があり、そこに作者のコメントが掲載されている。吾峠氏は、『鬼滅の刃』連載終了の直前の『ジャンプ』2020年21・22合併号の巻末コメントで、意味深なコメントを残している。
内容は、「身内とか友達同士で使う造語って楽しい。偽者の身内でもすぐ見抜けて便利。」というものだ。
有名人や著名人は、見たことも聞いたこともない親戚が有名になったとたんに湧き出てくるという話を聞いたことがある。『鬼滅の刃』のヒットを受けて、近づいてくる人を親戚かどうか見分けるために、吾峠氏が造語を使っていた……と考えるのが自然だろうか。
鬼のような物の怪も怖いが、お金や欲に心を奪われ、心が鬼になってしまった人間も怖いのかもしれない。
今回は、漫画家の意味深なコメントを紹介したが、正解は分からない。モヤモヤする部分はあるが、真相が分からないからこその面白さもあったりする。
最近は、SNSで発信する漫画家も増え、巻末コメントや作中の何気ない一言の意味が薄れてきてしまったように感じる。一方で、SNSでは書けないネタやコメントでドキリとさせてくれる作者もいるので、楽しみにしたい。