バトル漫画を原作にした実写化作品では、漫画のキャラクターのような迫力のあるアクション演技が求められることが多い。そのため現実離れした身のこなしを、実写化作品で再現しようとさまざまな工夫を凝らして作品が作られている。
近年では、アクションに定評のある女優が次々誕生しているが、彼女たちは実写化作品においても華々しい活躍を見せている。そこで今回は、漫画実写化作品でキレキレのアクションを見せた“次世代アクション女優”の過去の戦歴についてご紹介していこう。
■空手の実力は折り紙つき! 『暗殺教室』山本舞香さん
2015年に公開された映画『暗殺教室』は、「殺せんせー」という謎の生物を暗殺するため、生徒たちが奮闘していくという一風変わった設定の作品だ。原作は『週刊少年ジャンプ』で2012年から連載された、松井優征さんによる同名の人気作である。
そんな本作において、殺せんせーが担任をつとめる3年E組の生徒でかわいらしい容姿と明るい性格が魅力の茅野カエデを演じていたのが、山本舞香さんだった。触覚のように2つに結んだ髪型がチャームポイントのカエデを演じるにあたり、山本さんも忠実に髪型を再現。本作で山本さんを知ったという人も多く、彼女の出世作になった。
そんな山本さんはアクションにも定評があり、実際、本作でも空中を華麗に舞うワイヤーアクションを見せていた。実は彼女は小学校1年生から空手を習っており、その実力は折り紙つき。小学6年生のときには県大会で優勝した経歴を持ち、段位は初段以上を表す黒帯だ。
山本さんは、10月から放送されるテレビドラマ『今日からヒットマン』(テレビ朝日系)のヒロインをつとめることも発表されている。ドラマでも彼女のキレキレのアクションを見られるのではないか?と、ファンの期待は高まっているようだ。
■アクション女優として大注目!『キングダム』山本千尋さん
最新作『キングダム 運命の炎』が大ヒット中の映画『キングダム』シリーズは、“中華統一”を目指す男たちの戦いを描いた壮大な物語だ。作中では迫力のあるアクションシーンも多く、過酷な役作りに挑むキャストたちの体当たりの演技も話題となっている。
そのなかでも、“アクション女優”として注目を浴びたのが山本千尋さんだ。山本さんは世界ジュニア武術選手権大会や、JOCジュニアオリンピックカップ武術太極拳大会などで、何度も優勝しているほどの腕前を持つ。
そんな彼女の素晴らしい剣術は、2016年に公開された『キングダム』連載10周年実写特別動画で演じた羌瘣役で披露された。“美しすぎる剣舞”として話題となったこの映像では、広大な自然のなかで伸びやかに剣を振るう山本さんの姿を見ることができる。
山本さんは『キングダム2 遥かなる大地へ』では、清野菜名さんが演じる羌瘣の姉のような存在・羌象役を演じている。本作では残念ながらアクションシーンはおあずけとなっているのだが、そもそも羌象役への抜擢の理由が、圧倒的な強さを持つ羌瘣が心から慕っている存在ということに説得力を持たせるため、実際に武術で功績を残してきた彼女に白羽の矢が立ったのだそうだ。
映画で演じた羌象役でも、山本さんは抜群の存在感を放っていた。とはいえ、指先まで神経が研ぎ澄まされた美しすぎる剣術を、スクリーンでも見てみたかったと思ったのは筆者だけではないだろう。