人気漫画やアニメの実写化企画が発表される際、世間から上がるのは期待の声だけではない。好きな人にとっては原作の再現やどのようなキャストが起用されるかはかなり重要な要素で、原作のイメージからかけ離れた実写化についてはマイナスなイメージとともに語られがちである。
しかし近年では実写化のヒットをきっかけに、幅広いファン層を獲得した作品も珍しくなく、俳優や製作陣が作品をより良いものにするために影で努力を重ねていることは想像に難くない。特にキャラクターのイメージを損ねないように、俳優たちが役になりきるために行う長期の努力は敬服の念に堪えない。
今回は、中でも異常と言えるような命を削るレベルの役作りを見せた俳優たちを紹介したい。
まずは、2015年公開の映画『バクマン。』で高校生漫画家・真城最高(サイコー)を演じた佐藤健。高木秋人(シュージン)役の神木隆之介とともにコンビを組んだ2人がプロの漫画家として連載を目指すというストーリーで、漫画業界のリアルが描かれていると話題になった。
佐藤の役作りのうち驚くべきものが、締め切り前の漫画家を演じるために、あえて徹夜で撮影に挑んだという点。本編を見てみると目の下のクマや疲れきった表情など、ボロボロ感がある。その状態で芝居をするのは心配になるが、説得力を生むための体当たりの役作りと言っていいだろう。
続いては作品における肉体改造といえば真っ先に名前のあがる鈴木亮平。彼が原作のキャラになりきるために行うストイックな体重変化は毎回話題になる。
『HK/変態仮面』では15キロ増、『俺物語!!』では30キロ増など、かなりの頻度で体型を大きく変えている。その増減の大きさは不健康すぎる気さえする。
しかし彼の役作りと作品への情熱は、原作ファンの心を十分に動かした。上記の役は彼にしかできない当たり役となり、信頼のおける実写化俳優となっている。
2022年4月19日に実写映画化されることが発表された『ゴールデンカムイ』には、筋骨隆々の鍛え上げられた肉体のキャラクターが多く登場するため、実際のキャスト発表の際に彼の名前が出なかったことを残念に思った人は多かったようで、キャスト発表時には出演が予定されていない鈴木亮平の名がSNSではトレンド入りする事態となった。