1993年末に発売された1994年2月号で、少女漫画史上に残る“発行部数255万部”を記録した『りぼん』(集英社)。数々の名作たちを生み出してきた本誌だが、とくにこの時代は“黄金期”と呼ばれ、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。
そんな“黄金期”の作品を実写化した作品も多く、なかには80年代を代表していた元アイドルが出演していたことも。そこで今回は、『りぼん』黄金期の実写化作品に出演していた80年代の元アイドルたちをご紹介していこう。
■豪華なキャストで実写化! 『ママレード・ボーイ』中山美穂さん
吉住渉さんの『ママレード・ボーイ』は、両親がそれぞれのパートナーを入れ替えたことで年頃の男女が1つ屋根の下に暮らすことになるという、“少女漫画の王道”設定で人気を博した作品だ。とはいえ、今考えると、両親がパートナーを入れ替えて、なおかつ2家族が同居するというなかなかにトリッキーな展開だったように思う。
そんな本作は、2018年に実写映画化を果たした。主人公・小石川光希役にはラブストーリーのヒロインを多く演じてきた桜井日奈子さんが、相手役の松浦遊は吉沢亮さんが起用された。
それだけでも豪華なのだが、遊の母親である松浦千弥子役に抜擢されたのが、1985年ごろからアイドルとして活躍していた中山美穂さんだった。“ミポリン”の愛称で親しまれる中山さんは、「第27回 日本レコード大賞最優秀新人賞」という当時の新人アイドルにとって頂点ともいえる賞を受賞し、人気を博した。
現在は女優として目覚ましい活躍を見せている中山さんだが、本作でも流石の演技力を見せ、ファンを魅了した。なかには中山さんの迫真の演技によって、「少女漫画感がない」なんて言葉も飛び出るほどだったという。
そして本作では中山さんをはじめ、“両親S”には谷原章介さん、檀れいさん、筒井道隆さんと、魅力的なキャストが起用されたことも話題となった。もちろん、メインカップルは光希と遊なのだが、ある意味破天荒な“両親S”を、コミカルに、ときにシリアスに演じた彼らにもぜひ注目して見てみてほしい。
■トップアイドルを起用した実写化が大流行! 『有閑倶楽部』国生さゆりさん
一条ゆかりさんの代表作といえば、『有閑倶楽部』を思い浮かべる人も多いだろう。生徒会役員をつとめる美男美女の6人が、それぞれの長所や能力を活かしてトラブルを解決していく本作は、時代を超えてファンの心を離さない。
『有閑倶楽部』が実写化されたのは、1983年から1987年にかけて放送されていた『月曜ドラマランド』だった。『月曜ドラマランド』といえば、トップアイドルを起用した漫画の実写化が大流行し、数々の人気アイドルが出演しては話題をさらっていたことでも有名だ。
『有閑倶楽部』の実写化に挑んだのは、『おニャン子クラブ』のメンバーで、当時大人気だった国生さゆりさんだ。国生さんが演じたのは、大財閥の令嬢で人間離れした身体能力と食欲を持つ剣菱悠理役だった。
生粋のお嬢様でありながら、とんでもない野生児というキャラクターの悠理。見た目のかわいらしさはもちろんなのだが、すこし男勝りでパワフルなイメージのある国生さんが起用されたのもうなずける。
あざやかな黄色のミニ丈ボディコンスタイルの衣装を身につけ、華麗なアクションをこなす国生さんの姿が心に残っている人も多いのではないだろうか。