『マリオペイント』のスーパーファミコン用マウスに、『ダンスダンスレボリューション』の家庭用敷きマット型コントローラー。最近ではNintendoSwitch用に発売された工作して遊べるダンボールコントローラー「Nintendo Labo」などなど、家庭用ゲーム機ではそれぞれの時代で、遊び方を拡張してくれるようなワクワクする周辺機器が多数生まれてきた。
とはいえ、当時はそのような謎めいたアイテムの購入を親にねだるのはなかなかハードルが高かったもの。今回は、子どもには手が出せないけど「なんだか凄かった」ロマンあふれる名・珍周辺機器を見ていこう。
■「練習が必要」なパワーグローブ
まずは、ファミコンソフトを手の動きだけで操作できるという、パックスコーポレーションが販売したロマンの塊のようなコントローラー「パワーグローブ」(1990年)。
なにやらボタンやらコードやらが大量についている、物々しいグローブの形をしたこのコントローラー。それに加えて、大きなモーションセンサーも付属している。何やら物々しい、見た目からしてロマンを感じる逸品だ。
定価は1万9800円と、コントローラーとしてはかなり高価である。そのうえ操作性も微妙と、機能面ではかなりコスパが悪い。見た目が魅力的なので、当時は欲しかったものの、ファミコン本体よりも高く、「パックスパワーグローブ」を買うお金でソフトが何本も買えてしまう。おいそれとは手出しできなかった周辺機器のひとつだろう。
とはいえ、このレトロSF感あふれるコントローラーで、体を使ってファミコン作品を楽しめるというのは今ではとても魅力的に感じる。時代を先取りしたアイテムと言えるだろう。
■普及しなかった夢の「ファミコン3Dシステム」
続いてはファミコンソフトを3Dで楽しめる「ファミコン3Dシステム」(1987年)。これをファミコンへ接続し、自分でも装着すると、対応ソフトを立体視することができる周辺機器だ。
立体視の方法は「液晶シャッター方式」といわれる方法だ。テレビには、少しズレたゲーム画面が、高速に交互に映し出され、装着したゴーグル部分は左右のシャッターが、これも高速に交互に開閉する仕組みになっている。
ファミコン時代に3Dを楽しめるのは先進的だが、欠点が多く、普及はしなかった。前述の「パワーグローブ」ほどではないものの、定価6000円と高めの価格設定だったことと、画面のちらつきが目立ったためだと言われている。やはり、子どもには手が出なかったのだ。そのため対応ソフトも7本目で終了している。
性能的にはさすがに最新のVR機器には劣るものの、最古の3D化ハードと言っても過言では無い「ファミコン3Dシステム」。歴史的な意味合いで、ぜひ触っておきたいものである。