ザコキャラが主役の『北斗の拳』や『僕!!男塾』『彼、岸島』も…往年の少年・青年漫画をパロディにした漫画が面白いの画像
ゼノンコミックス『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』第1巻(コアミックス)

 今年で40周年を迎えた『北斗の拳』(原作:武論尊さん、作画:原哲夫さん)。人気のあまり本作をオマージュしたパロディ漫画も多く、2人の原作者のもと、シナリオ:河田雄志さん、作画:行徒妹さんによる『北斗の拳 イチゴ味』は大人気だ。本家と画が非常に似ているうえ、主役がサウザーのギャグ漫画とあって非常に面白い。

 実は“イチゴ味”に限らず、往年の少年・青年漫画はパロディ化されていることも多い。今回は『北斗の拳』をはじめとした、有名人気青年漫画のパロディ作品を一気に紹介しよう。

■まさかの雑魚キャラたちが主役! 『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』

『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』は、原作:原哲夫さん、武論尊さん、作画:倉尾宏さんによって2018年より『マンガほっと』で連載されたギャグ漫画である。

 時は199X年、仕事を探していた主人公・ノブはなんとか就職先を見つけるものの、そこは『北斗の拳』の世界でラオウに仕える「拳王軍」だったという設定だ。一般人のノブが、拳王軍の雑魚キャラたちとハチャメチャな毎日を送るストーリーである。

 本作では、原作『北斗の拳』でケンシロウによって殺されたザコたちが生き生きと描かれているのが面白い。毒入りの水を提供した通称‘‘デカいババア”や、聖帝軍の‘‘汚物は消毒の人”など「こんなザコキャラいたなあ……」と笑いながら読んでしまう。

 ストーリー後半には、なんとザコキャラ同士のトーナメント戦もある。一番強いザコはいったい誰なのか、滑稽すぎて読むのが止められない作品だ。

■『魁!!男塾』の名シーンがたっぷり…真剣なシーンでのボケが秀逸!『僕!!男塾』

 次は、80年代に『週刊少年ジャンプ』で人気を博した、宮下あきらさんの『魁!!男塾』のパロディ作品『僕!!男塾』(原案:宮下あきらさん、原作:宮川サトシさん、作画:近藤和寿さん)を紹介したい。

 主人公の漫画家・宮川サトシは、塾生によって家に空けられた穴から私塾・男塾の世界に行く。本作では、本家男塾の名シーンがたっぷり描かれているのが見どころだ。

 富樫源次の油風呂、塾生同士が連なり橋になる‘‘万人橋”、大豪院邪鬼の異常なデカさなど……どれも真面目に描かれているのだが、それに秀逸なボケが入るのが面白い。

 たとえば、独眼鉄先輩の「男とはなんぞや」と問うシーンでは、言葉を聞き取れなかったサトシが、“コストコとは外資系スーパーのことで……”なんて解説をする。80年代に展開した“真面目な男塾”をちょっと小バカにするようなギャグが印象的だ。

 ちなみに本作のタイトルは「ぼく!!おとこじゅく」ではなく、「やつがれ!!おとこじゅく」と読む。本家の「さきがけ!!」に近い響きにしているのか、読み方にもこだわりを感じる。ぜひとも読んでほしい一作だ。

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