■残機を分けてもらえたシューティング『ツインビー』

 シューティングゲーム=硬派なSF世界観という、それまでの固定観念を覆したシューティング『ツインビー』(1986年、コナミ)。システム的にも2人同時出撃が可能で、協力プレイができる、画期的なゲームとして登場した。

 ポップな見た目とは裏腹に、システム的には、実は硬派なシューティングゲームとなっている。自機の判定が広く、敵の挙動が嫌らしいのもあり、実はシューティングゲームとしては難易度は高めな方だ。

 それに加えて、『ツインビー』のアイデンティティとなっているベルによるパワーアップも難易度を高める一因となっている。弾幕を気にしながら、ベルにも攻撃を当て続けないといけないというのは、実はかなり難しい。

 そんな難しいゲームが、一般層にも支持された一因が協力プレイの存在だろう。せっかく育てたベルを相手に取られてしまったり、またはようやく育てたベルに仲間の弾が当たって台無しになったり、こちらも友情の絆が試される瞬間は多々あるのだが、上手い人と組むことによって、シューティングが下手な人でもある程度先のステージを体験できるのだ。 

 協力プレイ時にコンティニューする場合、自分の残機がゼロになっても、余っている人の残機を分けてもらえる。すぐにやられてしまい、あとは相手のプレイをずーっと見ているといったことが起こりにくい。交代ではなく、同時にプレイできるという要素は遊びの幅を広げる。また敵の弾に当たることで自機の片腕が失われるが、時折あらわれる救急車がそれを治してくれる。このように全体的に流れる優しい空気もケンカの起きにくさを生んでいる理由だろう。

 時に協力、時に競い合いながら進めていく、協力プレイが楽しかった名作ゲームを3つ紹介した。同時プレイはパーティーゲーム感が強く、友だちと遊ぶには最適だ。時にケンカになるのも、時間が経てば良い思い出である。

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