友だちと夢中になった思い出、ケンカギリギリでも… 「協力プレイ」が秀逸な名作ファミコンゲームの画像
『ダウンタウン熱血物語』(編集部撮影)
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『バルーンファイト』37周年で思い出す、ファミコン世代にとっての「友情破壊ゲームの原点」4選 “協力プレイ”が一変…ケンカ上等の惨劇が勃発!?

『モンスターストライク』や『モンスターハンター』シリーズなど、今となっては、ネットでの協力プレイは当たり前となっているが、ファミコン時代は、2人で協力プレイできるというだけで、ゲームの楽しみが大きく増えたように感じたものだ。

 味方を奈落の下に叩き落とす『アイスクライマー』、味方を突き上げ敵のもとに送り込む『マリオブラザーズ』などなど、協力プレイが一転して“友情破壊”の原因になってしまった、というよりもケンカそのものが目的になるようなタイトルも多かった。その一方で、ケンカ要素はありつつも、友だちや兄弟と手を取り合ってクリアを目指したゲームについて、思い出に残っている人も多いのではないだろうか。

 任天堂からファミリーコンピュータが生まれて今年で40年、今回は「協力プレイが楽しかった」名作ゲームを振り返りたい。

■ライバルと共闘『ダウンタウン熱血物語』

 まずは1989年にテクノスジャパンから発売された『ダウンタウン熱血物語』から。タイトル名には含まれていないが、『熱血硬派くにおくん』『熱血高校ドッジボール部』に続く、「くにおくんシリーズ」の第3弾となるベルトスクロールアクションゲームだ。

「くにお」と、そのライバル「りき」が手を取り、冷峰学園に立ち向かうというヤンキーアクションで、道中にはダブルドラゴン兄弟などシリーズおなじみのボスが多数登場してくる。

 数あるファミコンソフトの中でも特に2人プレイが盛り上がるタイトルだが、「くにお」と「りき」の初めての共闘作ということで同士討ち要素も用意されており、ストーリーそっちのけでケンカすることも可能となっている。またお互い妨害しながらゲームを進めるといった、中間的なプレイも楽しい。

 協力プレイのみに設定されている要素もある。敵によってプレイヤーへのヘイトが違ってくるのだ。1P側の「くにお」だけ、2P側の「りき」だけ、または、2人を均等に襲ってくるといった違いがあり、敵に個性がある。

 難易度を難しく設定すると、敵からのダメージが高く、敵の隙も小さくなり、かなりの高難易度となる。しかし、協力プレイの際でも敵の強さは変わらないので、これが協力プレイの動機付けとなっているのも良い。

 そうかといって、2人プレイでも難易度が高すぎる場合は、好きなタイミングで難易度を変えることが出来る。ゲーム中、好きなタイミングで難易度が変えられるゲームは、なかなか珍しいのではないだろうか。

■むしろ難易度アップ?『がんばれゴエモン2』

 こちらも2人同時プレイが可能な『がんばれゴエモン2』(1989年、コナミ)。レトロゲームでは定番の『ゴエモン』シリーズである。

 本作では日本全国を巡っての冒険となっていて、伊勢の夫婦石が背景に再現されていたり、肥後では熊本城と阿蘇山が描かれている。

 そんな『がんばれゴエモン2』は前作『がんばれゴエモン!からくり道中』から打って変わって2人プレイが導入されたタイトルで、1Pが「ゴエモン」を2Pが「エビス丸」を操作する。

 自分だけがうまくてもクリアはできず、ところどころチームワークの重要性を感じさせる要素がある。たとえば武器強化が共有となっているため、片方がダメージを受けると武器の強化が一段下がってしまうのだ。

 また、ダメージを回復する風呂屋では、ゴエモンは男風呂に、術で男性にされた女性という設定があるエビス丸は女風呂に入らなければならないが、2人プレイでは同じ風呂にしか入れない。なのでどちらかが必ずダメージを受けてしまうのだ。

 そういった面から、2人のチームワークが試されるゲームでもあった。協力プレイならではのやりがいのあるゲームであるが、同時にケンカに発展しがちなタイトルだろう。

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