『バーガータイム』に『ドアドア』も! 簡単そうに見えてクリアするのがかなり難しかった…賛否別れる面白いファミコンゲームの画像
ファミコンソフト『ドアドア』(スクウェア・エニックス)

 ファミコンには、簡単そうに見えてクリアするのが相当難しかったゲームがある。クリアできる人と途中で諦めた人とでは賛否別れる評価となっていたが、基本的に面白いゲームが多かったように思う。そこでパッケージやデモ画面を見て、“これは簡単だろう”と思い込んでしまった難しいファミコンゲームを紹介していこう。

■ハンバーガーを作るのに一苦労…かなり難易度が高かった初期名作アクションゲーム『バーガータイム』

 まずは、1985年にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売された『バーガータイム』だ。1988年にディスクシステムでも書き換え専用で発売(開発元のデータイーストより)されている。アーケードからの移植でもあるアクションゲームだ。

 主人公はコックで、バンズとパテ、レタスやトマトなどの具材を上から落として巨大ハンバーガーを完成させるのが目的だ。ステージごとにハンバーガーの数は異なり、具材の枚数も違う。とってもシンプルな設定なのだが、ここに敵キャラが入るからちょっと面倒になる。

 襲ってくる敵キャラは、普段はコックが調理する側であるピクルスやソーセージなど。コイツらコックに恨みでもあるのだろうか……。

 この敵キャラを倒すには、具材やバンズを落とすしかない。コショウを振りかけると動きを少し止めることができるが、これでは倒せない。コックなのだからほかに武器はあるだろう?と思うのだが、そこは知恵を絞ってバーガーの間に挟み込むしかないのだ。

 このゲームは意外にも難しかった。敵キャラの数が多いうえ、なにか武器で倒すこともできないからとにかく逃げるしかない。まあ、敵をバンズや具材の上に誘導してうまく乗せると落とすことができる。要はタイミングが重要で、さらに戦略性も大事なゲームといえた。

■腹を空かせた可愛いヒナ鳥のために親鳥マミーは頑張ります! 『バード・ウィーク』

 1986年に東芝EMI(現・ユニバーサル ミュージックLLC)から発売されたのが『バード・ウィーク』だ。このゲームは親鳥のマミーを操作して、腹を空かせたヒナ鳥をすべて成長させて巣立たせるのが目的となる。

 ちょっと変わったゲーム内容なのだが、ヒナ鳥を育てるなんて可愛らしいものだ。マミーは飛んでいる虫を取って、ヒナ鳥に与えるために駆け付ける。しかし、その際に邪魔をしてくるヤツらが多いこと……ハヤブサやキツツキ、ムササビなど、なぜかマミーを襲ってくるからやっかいだ。いや、お前らお互いに戦えよと言いたくなる。

 そんな敵キャラたちをとにかくかわしながらヒナ鳥のもとへと向かうのだが、敵を攻撃することもできる。それがキノコの存在だ。キノコといっても『スーパーマリオブラザーズ』のようにパワーアップするのではない。キノコを採って敵にぶつけることで回避できるのだ。

 そういえば、ヒナ鳥が巣立つときには上空に飛び立っていくので、思わず昇天したのかと勘違いしてしまったものだ……。きっと、この勘違いは筆者だけではないだろう。

 あと、飛び交う虫が敵キャラに見えてしまい、つい回避しようとしてムササビにアタックされたこともあったな。親鳥って命がけなんだと実感したものである。

■敵をドアに入れるだけ! シンプルなのにやり応え抜群のアクションゲーム『ドアドア』

 1985年にエニックス(現:スクウェア・エニックス)から発売されたのが、『ドアドア』だ。敵キャラをドアに入れるだけという非常にシンプルなアクションゲームだが、これがやり応え抜群で当時はかなり熱中したものだ。

 主人公・チュン君が敵キャラのモンスターたちをドアに閉じ込めていくのだが、できるのはジャンプとドアの操作程度と、とてもシンプルだった。待機中、帽子を被ったチュン君が足をバタバタしているのが可愛らしく、とてもモンスターと戦うキャラとは思えない。

 このゲームは、先を読みながら攻略しなければならなかったな。チュン君も武器がないので、どうしても追い詰められてしまう。なかにはジャンプでは回避できないモンスターも登場するので、「はしご」を駆使して各階層を行き来することになる。

 ステージのなかには全員が使用できる階段や、チュン君だけが使用できるはしごと滑り台、そしてモンスターのみが使用できるアミがある。これらは昇り降りすることができる反面、はしごを上手に使えばモンスターが素通りしてくれるので、遭遇することなく回避できた。

 さらにドアは完全に閉めるのではなく、わざと“半ドア”にすることも可能だった。モンスターがドアに入ったときに半ドアにすると、次のモンスターは入ることができない。そして一度ドアに入ったモンスターが出てくるタイミングを見計らって、近くにあるドアにまとめて閉じ込める時間差攻撃ができた。

 このテクニックは説明書にも記載されており、初めてできた時はガッツポーズしたものだったな。

 ちなみに、このゲームを考案したのは『ドラゴンクエスト』や『かまいたちの夜』など名作ゲームの開発にも携わったことでも有名なゲームクリエイターの中村光一さんだ。当時高校3年生で『ドアドア』を制作し、コンテストで優秀プログラム賞を手にしている。大学在籍中にチュンソフトを立ち上げたというから、もはやこのときから天才の片鱗を見せていたようだ。

 

 ここで紹介したゲームは、当時、友人たちの間でも評価が分かれるものだった。小学生だった筆者はすべてクリアできなかったが、ファミコンソフトを買ってもらえて、なおかつ友人と交換して新しく遊ぶ嬉しさのほうが勝っており、面白かった印象しかない。また遊びたくなってきたな。

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