『パックマン』に『スウィートホーム』かわいいものからゾッとするものもいた…「ファミコン」時代の幽霊たちの画像
ファミコン『スウィートホーム』(編集部撮影)
『スウィートホーム』懐かしのゲーム画面

 花火やお祭り、海水浴やキャンプなど、日本の夏の風物詩もいろいろありますが、欠かせないのが怪談。テレビのコーナーなどで幽霊の特集が放送されたり、SNSで投稿された心霊写真や動画が回ってきたり、思わず背筋がヒヤッとするのは今も昔も変わりません。そんな「幽霊」はやはり子どもにも人気があるのか、ファミコン時代のゲームにも数多く登場してきました。

 たとえば、1984年にファミコンに移植されたアクションゲームの金字塔『パックマン』(ナムコ)も「ゴースト」なる幽霊モンスターが登場したゲームです。パックマンを追いかける赤、ピンク、黄色、青の4色の敵はポップなデザインのゴーストで、怖いというよりもかわいらしい印象。迷路内に配置されたパワーエサを食べれば反撃できるものの、執拗に追いかけてくるゴーストのしつこさにドキドキする怖さを覚えた人も多いのではないでしょうか?

『パックマン』

 1986年に発売され、日本にRPGを一気に広めた『ドラゴンクエスト』(エニックス)にも「ゴースト」なる幽霊モンスターが登場します。同作の「ゴースト」は序盤の強敵として出現するモンスターですが、その上位となる派生モンスター「ヘルゴースト」はちょっとやっかいでした。というのも、高確率でラリホーを使ってくるため、マホトーンで先手を打たないとギラの連打でピンチになったりするからです。ホラー的要素はないものの、そういう意味ではちょっと怖いモンスターでした。

『ドラゴンクエスト』

■『ゴーストバスターズ』に『スウィートホーム』

 ファミコン時代は、映画を原作としたゲームも多数作られましたが、幽霊が出てくるゲームとなれば、幽霊退治を行う男たちを描いた大ヒットコメディ映画がゲームになった『ゴーストバスターズ』(徳間書店)を外すことはできません。

 ただ、映画の要素をうまい具合に詰め込んではいるのですが、ゲームとしてはだいぶ微妙なデキ……。お金を貯めて武器を買い、ゴーストを捕獲し、ボスのゴーザを倒すのが目的となっていますが、何をやるにもお金がかかり、その資金繰りに一苦労。普通では見えないゴーストだけにいろいろ必要なのでしょうが、映画のようにライト感覚でゴーストをバスターできればよかったのになと思ったものです。

『ゴーストバスターズ』

 1989年のホラーゲーム『スウィートホーム』(カプコン)は、恐怖の対象としての正しく幽霊が出てくるゲームのひとつです。こちらも同じく映画が原作。製作総指揮を伊丹十三さん、監督と脚本を黒沢清さんが務めた同名の名作ホラー映画を原作にしたゲームです。

 画家・間宮一郎の作品が遺されているという無人の屋敷に取材目的で入りこんだ5人のテレビクルーたちが、数々の怪奇現象に見舞われながら屋敷から脱出を試みるというストーリー。

 のちのホラーゲームにも影響を与えた演出が何よりすばらしく、人魂や生霊、壁に現れる顔や死神、さらにはプレイヤーキャラクターである5人の生霊などバラエティ豊かな霊的モンスターが登場します。ファミコンでありながらも微細なドットで描かれたグラフィックスが、その怖さを引き立てています。ラスボスの間宮夫人の霊とのバトルは、力押しではなく夫人を成仏させるような戦いをしなくては勝てないのがホラーゲームとして秀逸な点ではないかと思います。

『スウィートホーム』
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