『ARMS』や『ONE PIECE』にも…「母は強し」にもほどがある!? 漫画に登場した“強すぎる母親キャラ”3選の画像
『ONE PIECE Log Collection』“BIG MOM"(エイベックス・ピクチャーズ)

 ときに優しく、ときに厳しく我が子の成長を見守り支える母親たち。“母は強し”という言葉があるが、漫画作品には我々の常識を遥かに超えた規格外の強さを誇る母親たちがしばしば登場する。圧倒的な実力で読者の度肝を抜いた、インパクト大な母親キャラたちについて見ていこう。

■にこやかな母の影に隠れた“傭兵”の素顔…『ARMS』高槻美沙

 1997年から『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載された皆川亮二氏の『ARMS』は、肉体に“ナノマシン”を埋め込まれた少年、少女たちが世界に渦巻く陰謀に巻き込まれていく、SF作品だ。

 主人公の高校生・高槻涼は“ナノマシン”の力を手に入れたことで熾烈な戦いへと身を投じていくのだが、そんな彼を支える母親こそ、のちにあまりにも規格外の活躍をすることとなった高槻美沙である。

 美沙は吞気な性格の女性で、父親が単身赴任でいない間、女手一つで高槻家を切り盛りしていた。そんな彼女だが、自宅に襲撃を仕掛けてきたサイボーグ部隊によって捕獲され、涼を牽制するために利用されてしまう。

 肉親を盾にされたことで戦意喪失する涼だったが、美沙はそんな息子を見て困ったように笑い、あるとんでもない行動に出るのである。

 なんと、彼女は隠し持っていたハンドガンで、自身を捕縛していた兵士の脳天を躊躇することなく射撃。涼とサイボーグ兵が唖然とするなか、間髪入れず残る一人の額に包丁を投げて殺害してしまう。

 実は彼女の正体は「笑う牝豹(ラフィング・パンサー)」、「地獄の黒魔女(ヘルズ・ブラック・ウィッチ)」といった数々の異名を持つ伝説の傭兵で、数多の戦場で死地をくぐり抜けてきた最強の女傑だったのである。

 “ナノマシン”の力を持たない一般人でありながら、その実力は作中トップクラスで、にこやかな専業主婦が規格外の戦力として戦線に加わったことに読者はおおいに驚かされたことだろう。

 ちなみに、涼とは血の繋がりがない赤の他人ではあるが、それでも“家族”としての愛情や絆は本物で、ことあるごとに涼の背中を押し、勇気付けていた。作中で涼に語った「あなたは 私が生涯で もっとも心を痛めた自慢の息子よ!!」は、作中屈指の名セリフであろう。

 戦闘能力だけでなく、精神的にも主人公を支え続けた驚くべき母親キャラである。

■大家族を率いる“四皇”の紅一点!『ONE PIECE』シャーロット・リンリン

 1997年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されている尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』は、いまなおアニメ放送や映画化が続いている国民的人気を誇る作品だ。

 本作にもさまざまな母親が登場するが、なかでもその高い実力と強烈なキャラクターでインパクトを残したのは、“ビッグ・マム”ことシャーロット・リンリンだろう。

 新世界を支配する「四皇」の一人であり、ビッグ・マム海賊団の船長を務める女性で、約9メートルほどの巨体が最大の特徴だ。性格は非常に男勝りで、一言で表すならば“傍若無人”。わがままかつ傲慢な自信家で、自分の思想や発言には一切の迷いを持たない。

 実に海賊然とした彼女だが、“ビッグ・マム”の名が示す通り、彼女の海賊団はほとんどが血を分けた家族で構成されている。

 その内訳だが、なんと夫43人、息子46人、娘39人の129人家族……という、とんでもないもの。家族だからといってその性格が丸くなることはなく、少しでも反抗しようものならば容赦なく手を上げる。

 家族構成だけでも実に破天荒な彼女だが、その戦闘能力も怪物級で、悪魔の実である「ソルソルの実」の力を使いこなす。

 彼女は“魂(ソウル)”の力を操ることができ、対象から魂を抜き取り寿命を奪ったり、自身の寿命を使って巨大化したり、傷を治癒させることも可能。また、魂を動植物などに入れて擬人化させ、自身の味方として利用することまでできるのだ。

 肉体に秘めたポテンシャルと悪魔の実の能力……それらを使いこなし、四皇として、そして大家族の母親として君臨する、インパクト大なキャラクターである。

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