映画やドラマの撮影にのぞむ際、役づくりとして肉体改造をする俳優は少なくない。とくに漫画の実写化の場合、演じるキャラクターのビジュアルに近づけようとすればするほど、大きな肉体改造が必要となるのだろう。今回はそんな実写化作品の役づくりにおいて驚きの変貌を遂げた俳優たちを、出演作品とともに紹介していく。
■増量で作り出した圧倒的なオーラ! 『キングダム』王騎役:大沢たかおさん
2019年、初の実写映画が公開された原泰久さんの漫画『キングダム』。“天下の大将軍”を目指す孤児の少年・信が、秦王の嬴政とともに中国史上ではじめての“天下統一”を夢見て奮闘するストーリーが描かれている。
実写化にあたり、主演の山﨑賢人さんをはじめ、吉沢亮さんや長澤まさみさんなど豪華な顔ぶれが揃ったことでも話題となった本作だが、なかでも秦の六大将軍の1人・王騎を演じた大沢たかおさんの迫力は一線を画すものだった。
2022年『キングダム2 遙かなる大地へ』の完成報告会のインタビューにおいて、本作の撮影のために肉体改造をしたことを明かした大沢さん。彼は1作目で20kg近く増量したものの、撮影終了後にはいったん元の体型まで戻していたという。その後、続編の制作が決まったと聞いて、“前作を超えるものでなければ、観客の皆さんに喜んでいただけない”と、続編の『キングダム2 遥かなる大地へ』でも再度20kg近い増量をしたのだとか。
7月28日に公開されたばかりの最新作『キングダム 運命の炎』でも、王騎の活躍が注目されている。ストーリーはもちろん、大沢さんの迫力のある肉体美も要チェックだ。
■作品に応じて大変貌!?『俺物語!!』『HK/変態仮面』:鈴木亮平さん
作品に応じてまったく違う姿を見せてくれるのが、鈴木亮平さんだ。鈴木さんといえば、2013年に公開された『HK/変態仮面』で見せたキレッキレのマッチョな肉体が印象的だった。
本作の主演を務めることになった鈴木さんは、15kg増量したうえで脂肪を絞る過酷なトレーニングをし、1日に6〜8回食事をとっていたという。トレーナーはつけず、ボディビルダーの本を見ながら1年かけて肉体改造に取り組んだと、当時のインタビューで明かしていた。
しかし、さらに驚きの変貌を遂げた姿を見せたのが、2015年に公開された河原和音さんの漫画『俺物語!!』を原作とした実写映画でのこと。本作で鈴木さんが演じたのは「身長が2m、体重120kg(いずれも推定)」のキャラクター・剛田猛男だった。
鈴木さんは同年に放送されていたドラマ『天皇の料理番』の役づくりで76kgから56kgまで体重を減量していたが、その後、本作の撮影のために40日間で30kgも体重を増量したという。
ストイックなことでも知られる鈴木さんだが、1年も経たずして20kgの減量と30kgの増量を立て続けにおこなうなど、常人であれば考えられない体重の増減だ。確かな知識と経験、そして努力により、自身の体重をも自在に操る鈴木さんのプロ意識に感服してしまうエピソードだった。