■本物のボクサーのような肉体美…『あしたのジョー』:山下智久さん、伊勢谷友介さん
『あしたのジョー』(原作:高森朝雄(梶原一騎)さん、作画:ちばてつやさん)は、言わずと知れた日本を代表するボクシング漫画だ。本作は、1970年に初の実写映画化を果たし、その後、2011年に再び実写映画化され注目を集めた。
主演を務めたのは、当時ジャニーズのアイドルグループ「NEWS」に所属していた山下智久さんだ。
山下さんは主人公・矢吹丈を演じるにあたって9kgほど減量。なんと体脂肪率は5%だったという。まるで本物のボクサーのような肉体改造に挑んだ山下さんだが、矢吹のライバルである力石徹を演じた伊勢谷友介さんもまた、過酷な肉体改造をおこなっていた。
伊勢谷さんは原作の力石に近づけるため、1日の摂取カロリーは250kcal。こちらも10kgの減量、体脂肪率はなんと3%まで絞ったそう。
ボクサーは過酷な減量に取り組んでいると聞くが、まさに本物さながらの減量とトレーニングに挑んだ両名。周囲のキャストも2人の鬼気迫る肉体改造への熱意に圧倒され、彼らの前で水分をとることすらためらってしまったという。
強い意志がなければ成し遂げられない肉体改造を成功させた2人の“完成形”を見ることができる本作。迫力あるシーンはもちろん、究極の肉体美は一見の価値ありだ。
ちなみに、山下さんといえば麻生羽呂さんの漫画を実写化したNetflixシリーズ『今際の国のアリス Season2』(2022年12月配信)で見せたムキムキの姿も話題に。一糸まとわぬキング・キューマ役を見事に演じきり、鍛え上げた究極の肉体美を文字通り、余すことなく披露している。
役づくりの1つとして、過酷な肉体改造に挑む俳優たち。減量や増量、筋力トレーニングなどをこなした彼らの努力は、その肉体を見れば一目瞭然だろう。ときには撮影時期に合わせて体を作らなければならない場合もあり、その増減の凄まじさは想像するに余りある。
彼らの努力のエピソードを紐解くと、根本には「原作へのリスペクト」が感じられ、あらためてその姿に注目しながら作品を見返してみたいと思う。