■『宇宙戦艦ヤマト』森雪を演じた黒木メイサ

宇宙戦艦ヤマト』初の実写映画化『SPACE BATTLESHIP ヤマト』では、黒木メイサさんがマドンナの森雪を演じていた。本作は木村拓哉さんが主人公の古代進役を演じたことでも有名である。

『宇宙戦艦ヤマト』は、松本零士さんが監督を務めたアニメ作品が原作。異星人と繰り広げられる宇宙戦艦ヤマトの激しい戦闘と、そこに乗る隊員たちの人間ドラマが魅力のSF作品だ。中でも雪は、旧シリーズで登場する唯一の女性クルーということもあり、男性からの絶大な人気を集めた。

 2010年公開の実写映画では、女性クルーの数こそ増えたものの、黒木メイサさん演じる雪は抜群の存在感を出していた。また雪は原作のアニメでは生活班長兼レーダー手という設定だったが、実写版では戦闘班・ブラックタイガー隊のエースパイロットに。性格も原作と比べてよりいっそう勝ち気に変更されている。

 現代的な戦う女性になった雪は、クールビューティな黒木さんのハマり役だったと言えるだろう。特徴的な黄色いジャケットを見事に着こなしているのもさすがだ。

■『こち亀』秋本・カトリーヌ・麗子を演じた香里奈

 最後に『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のマドンナ麗子と、彼女を演じた香里奈さんについて紹介したい。

 秋本治さんの『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(通称「こち亀」)は、葛飾区亀有という下町にある派出所を舞台に、警官・両津勘吉がドタバタ劇を繰り広げるギャグ漫画である。秋本・カトリーヌ・麗子は、その派出所の女性警官。単行本11巻で初登場し、その後最終201巻まで派出所のヒロインの座に君臨し続けた人気マドンナキャラである。

 2009年に放送されたテレビドラマ版では、香取慎吾さんが両津役を務め、当時抜群の人気を誇っていた香里奈さんがマドンナ麗子を演じている。麗子の特徴の1つであるピンク&ミニスカートの特注警官服も、香里奈さんはその抜群のプロポーションで見事に着こなしていた。活発で気が強く、サバサバとした麗子の雰囲気にもピッタリのキャスティングだったように思う。

 また同僚のイケメン警官・中川は速水もこみちさんが演じており、なかなか華やかな『こち亀』だった。

 

 今回は、実写化作品で美人マドンナキャラを演じてファンを唸らせた女優を5人紹介した。人気漫画・アニメの実写化はなかなかハードルが高く、作品自体賛否両論巻き起こってしまいがちだ。

 もしかしたら、今回紹介したキャスティングに「納得がいかない」と思う人もいるかもしれない。特にマドンナキャラはそれぞれの憧れや思い入れも強いだろうから、当然のことである。しかしいずれもその美貌を活かし、漫画やアニメのマドンナという難しい役を精いっぱい表現してくれていたのは確かだ。

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