■『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』

 最後は1990年発売のファミコン用ゲーム『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』。こちらもかなり『ドラゴンクエスト』シリーズを意識した作りとなっており、敵との戦闘では「たたかう」「ぼうぎょ」「ひみつ」「どうぐ」を選んで戦い、「ゆうき(レベル)」を上げて「げんき(HP)」「ちから(攻撃力)」「がまん(防御力)」などを高めていく。

 とはいえ『ドラえもん』原作のRPGは貴重で、作品としての完成度は高い。ゲームバランスは、油断したり、探索漏れがあると全滅の危険が発生する、適度に歯応えがある。他RPGに大きく先駆けて実装された大容量アイテム袋「四次元ポケット」は、アイテム周りをかなり快適にしていた。

「空気砲」や「コンクフード」といった秘密道具は、敵を倒して得られる「ドラやき」を消費することで、誰でも使うことができる。つまり、誰でもヒーラーやダメージディーラーになることができる。職業やスキルシステムとは、また違った形で戦略性が生まれる、ユニークなシステムだ。

 シナリオ面でもさまざまな劇場版作品のその後が描かれるストーリーで、原作劇場版を見ている人も見ていない人も楽しめるようなゲームになっている。

 さまざまな面で良作に仕上がっているRPG『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』だが、のび太やドラえもんが剣でモンスターと殴り合う様子は、改めて考えてみると中々にシュールかもしれない。

 突然の謎のRPG化をしてしまったゲームには、他にも名作、迷作が存在するが、冷静に考えるとシュールなことになっている作品が続出したものである。アナタはどの作品が思い出深いだろうか。

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