■ナポレオンとなって欧州制覇を目指す難易度の高い『ランペルール』

 最後は1990年にパソコン用として発売され、1991年にはファミコンにも移植された『ランペルール』だ。このゲームはフランスのナポレオンを操作し、欧州全土46都市の制覇に挑戦するのだが、ネット環境も整っていない当時、将軍たちの能力をどうやって調べたのだろうと不思議に思ったことを覚えている。

 日本の武士に対して、欧州には騎士という言葉がある。文字通り「騎兵」のことで、当時は欧州の子どもたちの憧れでもあったという。しかし、史実によるとナポレオンは戦闘ではいずれ砲撃のほうが主力となると思っていたらしく、士官学校でも花形の騎兵科ではなく砲兵科を選択するなど、すでに天才ぶりを発揮していたようだ。そんなナポレオンが主役のゲームということで、筆者も胸が躍ったものだ。

 さて、このゲームでは都市の特徴を掴みながら、外交を駆使して戦闘に勝利することが目的となる。なんせ国と国のぶつかり合い。まあ、いってみれば侵略戦争なのだが、そこはゲームとして割り切ろう。

 ナポレオンを操作するので祖国はフランスとなるのだが、シナリオによって立場が異なり、司令官や最高司令官、第一執政、皇帝といった具合に出世していく。もちろん、立場が変わればやることも増える。

 時代背景と都市ごとの特徴が反映されており、制海権や大陸封鎖も可能で外交戦略が熱いものだった。ゲームの難易度も高く設定されており、『三國志』や『信長の野望』よりもやり込み甲斐がある。

 そして『ランペルール』には、ナポレオンが島流しにあった「エルバ島脱出」の隠しシナリオが存在していた(ファミコン版にはない)。まさに、史実で起きた1815年の「百日天下」のシナリオで、ナポリ以外の周辺国がすべて敵という、まさに四面楚歌の状態からフランスを立て直していく。光栄のシミュレーションゲーム屈指の難易度とも言われているが、「余の辞書に不可能という文字はない」を体感できるほどの難しさだった。

 このゲームは今プレイしても面白いと思う。2005年にパソコン用ゲーム『コーエー定番シリーズ』の1つとして発売されてはいるが、再度開発してほしいと切に願う。

 

 光栄時代のゲームソフトは面白い作品が多いので、今のシステムで再度やり込みたいもの。今回紹介したこれらの作品はシリーズ化もされていないので、リメイクでも続編でもいいのでぜひまたやりたいものだな。

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