『ファミリージョッキー』に『ファミリーテニス』も…名作揃いだったナムコの『ファミリーシリーズ』3選の画像
ファミコンソフト『ファミリージョッキー』

 ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)の『ファミリーシリーズ』といえば、1986年に当時の小学生たちを虜にした『プロ野球ファミリースタジアム』(ファミスタ)が有名だ。むしろファミスタは知名度が高すぎて、ファミリーシリーズではないというファンもいることだろう。ファミスタ以外では、1988年に発売された『ファミリーサーキット』も超良作だ。

 当時のナムコはほかにも名作を多く世に送り出していたが、今回はファミスタやファミリーサーキットだけではない、良作のファミリーシリーズを紹介していこう。

■最初に遊んだ競馬ゲーム! ペース配分がカギを握る『ファミリージョッキー』

 多くのファミコンユーザーにとって“最初に遊んだ競馬ゲーム”といえば、1987年4月に発売された『ファミリージョッキー』ではないだろうか。競馬ゲームといえば競走馬の育成がメインである作品が多いのだが、『ファミリージョッキー』はレースゲームだった。

 タイプの異なる16頭の競走馬から1頭を選び、全16戦のレースを戦い抜く。賞金がもらえるのは3着以内までで、全戦勝利する必要はないものの、上を目指すためには賞金を稼いでクラスを上げないといけない。

 賞金の高いG1レースはすべて障害レースになるので、現実のレースとはかなり違う点が多かった。このゲームで競馬を学んだといえるのだが、のちに有馬記念が2500mの平地レースだと知って驚いたものだ。

 まあ、現実の競馬との違いは置いておいて、このゲームはスピード一辺倒では勝てないのが面白かった。レースゲームなのだが、障害の飛越するタイミングとペース配分がカギを握る。ボタン連打や長押しだけで乗り切れるほど甘くはなく、どれだけ逃げてもスタミナがなくなれば、直線で後続馬にどんどん抜かれてしまうのだ。

 また、わざと後ろから体当たりをし、弾き飛ばされる反動でライバルよりも前へ飛び出すことも可能だ。現実のレースだと審議ランプが点灯し、降着処分や騎乗停止になってしまうのだが、このゲームにおいてはテクニックのひとつだった。

 途中に配置されているアイテムをゲットしてパワーアップしていくのも面白く、敵に取らせないように邪魔をしたりもしていた。2プレイ同時操作も可能で、かなり熱中したものだったな。

■「ぶんぶん」と「なぶらっち」が最強コンビだった白熱の対戦ゲーム『ファミリーテニス』

 1987年12月に発売された『ファミリーテニス』も名作だった。通常のコートに加えて、土でできたクレイコートや宇宙空間にあるCOSMOコートまであるから驚きだ。

 2P対戦も熱いのだが、ワールド・ツアーモードを一人でやり切るのも楽しかった。選手は個性豊かな16人から選び、なかには女子選手も混じっている。当時の最強といえる女子プレイヤーの「なぶらっち」(マルチナ・ナブラチロワ)や、「すてっぴい」(シュテフィ・グラフ)、男子は「まけろう」(ジョン・マッケンロー)や、「ぶんぶん」(ボリス・ベッカー、“ブンブンサーブ”という愛称で呼ばれた)といった、実在するお馴染みの選手をモデルにしている。

 このゲームは利き手もきちんと設定されており、「なぶらっち」や「すこんちょ」(アンリ・ルコント)は、しっかりサウスポーでサーブを決めるのもカッコよかった。ちなみに最強選手はおそらく「ぶんぶん」で、サーブが強烈に速かったのを覚えている。それと、COSMOコートは星とボールが重なって最初は見づらかったものだ。

 友達との対戦は燃えたなあ。強すぎて喧嘩になってしまうので、「ぶんぶん」を選択するのは禁止にしていたものだった。とはいえ、サーブがちょっと難しかった気がする。

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