■意外な登場が実現したキャラたち
こうした仕かけは同じく『りぼん』で活躍していた小花美穂氏の作品でも見られた。
小花氏の作品に『水の館』という全1巻のコミックスがあるが、これはヒット作『こどものおもちゃ』の主人公である子役の倉田紗南が出演した映画の内容を漫画にした劇中劇の形態をとっている異色の作品。本編はダークでミステリアスな雰囲気だが、その裏で行われた撮影の様子を考えると、不思議な気持ちになると同時に紗南の女優魂を感じることができる。
また、『Deep Clear』は『こどものおもちゃ』と『Cookie』にて連載されていた『Honey Bitter』がコラボした「特別番外編」と銘打った作品。『Honey Bitter』の主人公である、人の心が読めてしまう力を持つ珠里のもとに女優となった紗南と、相手役である羽山が依頼人として訪れるという内容だ。こちらもファンにとっては嬉しいキャラの再登場となった。
また、椎名軽穂氏が『別冊マーガレット』にて連載していた『君に届け』の番外編では、意外なキャラクター同士の恋愛模様が描かれた。
『君に届け 番外編~運命の人~』は本編最終回後を舞台としており、同作の主人公となる胡桃沢梅(くるみ)の恋愛の相手となるのは、過去作『CRAZY FOR YOU』に登場した、黒沼爽子のいとこである赤星栄治。
赤星は『CRAZY FOR YOU』では主人公の高村幸にひかれていくという役どころだったが、多数のファンレターが作者の元に届く人気キャラだったことが単行本内で明かされており、この番外編でようやく幸せになれたことを祝福したファンは多かったようだ。
どんなに小さなカメオ出演でも、意外な大出世による再登場でも、ファンにとってはそのキャラが本編とはまた違った姿を見せてくれるのは嬉しいもの。ただのファンサービスにとどまらない、作者のキャラクターへの愛着を感じさせてくれる。