■重力を操るイケメン魔法使い『マッシュル−MASHLE−』ランス・クラウン

 2020年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始された、甲本一氏による『マッシュル−MASHLE−』。ストーリーは、普遍的に魔法が使われる世界で主人公のマッシュ・バーンデッドが筋力”を使って渡り合っていく……という、一風変わったファンタジー作品だ。

 本作には数々の魔法使いたちが登場するが、そのなかで重力を使いこなすのがマッシュと同じくイーストン魔法学校・アドラ寮に所属する生徒のランス・クラウンである。

 ランスは水色がかった銀髪を持つ、いわゆるイケメンで、編入試験をトップで通過した実力者だ。一見、隙のない人物なのだが、彼は難病を患う妹のことを盲目的に好いている自他ともに認めるシスコンでもある。

 そんな彼の固有魔法こそ、重力を使った魔法だ。任意の場所に重力を生み出す「グラビオル」や、重力を集中して叩き込む「セクショングラビオル」など、数々の術式を使いこなす。その重力魔法はかなり強力で、筋肉ですべてを解決するマッシュすら容易に動けなくなるほど。

 また、出力や発生方向も自由自在で、細かくコントロールすることで“サイコキネシス”のように物体を操作するなど、応用性の高さも見せつけた。

 能力自体がシンプルであるゆえに、ランスのセンスが光る場面も多い。作中ではマッシュの筋肉のパワーにおくれを取る場面もあったが、登場人物たちのなかでは屈指の実力者といえるだろう。「イケメン」と「シスコン」と「重力」と、なんとも不思議な要素が組み合わされた癖の強いキャラクターだ。

 

 我々が常に日常のなかで無意識に触れ、その影響を受け続けている重力。万物に働きかけられる力であるゆえに、それを操る能力者となると、やはり作中屈指の実力を誇るキャラクターとして描かれることも少なくない。

 破壊、防御、移動……と、あらゆる場面に応用が利く点も、重力を操る能力が強力な理由だろう。

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