『キャプテン翼』森崎に『北斗の拳』バットも…序盤のヘタレぶりから一転! 漫画に登場する“努力と根性で成長した脇役キャラ”3選の画像
『北斗の拳 究極版』第16巻(徳間書店)

 漫画に登場する脇役キャラは主人公をサポートする役割が多いものの、登場時はなにかと使えないヘタレキャラも多い。だが、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』に登場する魔法使い・ポップのように、最初はヘタレでも努力と根性で凄まじい成長を遂げた脇役キャラもいたものだ。そこで、序盤から一転、頑張って成長した脇役キャラをみていこう。

■”ボールはともだち”を胸に必死にチームのために体を張った『キャプテン翼』森崎有三

 高橋陽一氏の大人気漫画『キャプテン翼』(集英社)で、主人公・大空翼のチームメイトとして登場する脇役キャラがGK・森崎有三だ。

 森崎は小学生編の南葛SCで正GK・若林源三がケガで離脱してしまったため、スタメン出場を果たした。しかし、全国大会1回戦で明和FCと対決し、いきなり日向小次郎に顔面直撃のシュートを喰らって恐怖症に陥ってしまう……。しかも、沢田タケシが放った誰でも取れそうに見えるシュートまで、一歩も動けず見送ったほど。

 しかし、これに身を挺して“ボールはともだち”だと教えたのが翼だ。ここから森崎は恐怖心を克服し、ゴールを量産されながらも成長していく様子を見せた。

 中学生になってからは南葛中の正GKになり、日向のタイガーショットにも必死で食らいついていた。そう、文字通り、チームのために体を張っていくのだ。

 ジュニアユース編の決勝の西ドイツ戦、怪我をした若島津の代わりに誰をGKにするかという局面でサッカー協会の片桐から「森崎では ちょっと荷が重すぎますね」と言われていたのが悲しい。

 あれ?でも、“ちょっと”と言っている。相対するのはすでに西ドイツで実績を積んでいる天才GK・若林。ひょっとしたら片桐は、森崎がスタメンだったとしても驚かなかったかもしれないな。

 のちのシリーズで森崎は各年代の代表入りを果たしており、日本サッカー界の貴重な存在となっていく。テクモ版(現:コーエーテクモゲームス)のファミコン『キャプテン翼』で、間違って森崎で「キャッチ」を選択し、ハンパなく絶望感を感じてしまったことを謝りたい……。

■憧れの男を目指してリンを守ろうと命をかける『北斗の拳』バット

 原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏による『北斗の拳』(集英社)。本作で序盤から登場しているバットもヘタレキャラだった。当初は自分勝手なコソ泥で、いつ悪党どもに殺されていてもおかしくなく、なぜケンシロウが一緒に行動をともにしていたのかが分からないほどだった。

 そんなバットの転機となったのは、ジャッカル一味との戦いからだろう。
 もともと優しい性格だったバットだが、この腐敗した社会では生きられないと悟っていたようだ。ひねくれた態度を取り村を出たのも、口べらしとなってほかの子に食料を与えるためだったことが、育ての親だったトヨによって明かされている。その後、トヨと弟分のタキの死に直面するのだが、ここからは少し変わっていった。

 リンやアイリのいた村が襲撃されたときは、傷を負いながらもケンシロウを探し、気を失いかけたところを偶然レイに助けられ命をとりとめたりもしていたな。

 なんといっても、バットが驚きの成長ぶりを見せたのが、青年となって再登場したときだろう。バットは“北斗の軍”という組織を結成し、リンとともに若きリーダーとして弱者を助けるレジスタンスとして活動していた。

 ケンシロウとの再会時には、“北斗の軍”での戦いによって体中に無数の傷があることがリンによって明かされていた。精悍な顔つきで“リンをもう一度会わせたかった”と伝えるバットに対し、ケンシロウが「男の顔になったな!!」と答える場面では、こっちまで感動してしまったものだ。

 終盤間際、ケンシロウとリンの記憶が失われたとき、自ら身代わりとなって2人の幸せを願うシーンは本当に泣けた。さらに、ケンシロウの記憶が蘇るきっかけとなるのが“バットの叫び”というのも嬉しかったな。

 瀕死の状態になってもリンにわざと悪態をついて自分を嫌いにさせようとするなど、憧れの男を目指して愛する女性の幸せを守ろうなんて……カッコ良すぎるぜバット!

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