■少年との触れ合いを通じやさしさに目覚めた…『黄金戦士ゴールドライタン』マンナッカー

 1981年からテレビ放映された『黄金戦士ゴールドライタン』は、タツノコプロによって制作されたロボットアニメだ。意思を持ったロボットたちが登場し、人間とロボットの友情が大きなテーマとなっている。

 主役ロボット・ゴールドライタン率いる“ライタン軍団”とイバルダ大王たちの戦いが繰り広げられるが、そのなかで“女性型メカ”として活躍するのが、イバルダ大王側の幹部として登場したマンナッカーだ。

 マンナッカーはボブカットの女性を模したロボットで、その性格は冷徹かつ知的。ときには人造皮膚を身に着けて人間の女性に擬態し、情報操作などの狡猾な手段も使って暗躍していた。

 イバルダ大王への忠誠心も非常に強く、その立ち振る舞いはまさに悪の女幹部。度重なる悪行の数々から、いずれはライタン軍団と本格的に激突すると思われた。しかし紆余曲折のすえ、人質に取ったはずの主人公・ヒロに助けられたことで、彼女は今まで感じたことのなかった“連帯感”や“思いやり”の感覚に目覚めていく。

 結果、最後は同じく幹部であるウヨッカーの凶刃から、身を挺してヒロをかばうといった活躍を見せた。

 様々な手でライタンらを苦しめはしたものの、最終的には人との触れ合いのなかで“心”に目覚め、思いがけない功績まで残した、妖しくも美しい女性型ロボットである。

 

 女性同様の体つきを持つ機械の乙女たちは、無機質ななかにどこか不思議な艶めかしさを宿し、読者や視聴者を魅了する。曲線的なプロポーションはもちろん、機械の肉体に宿った人としての“心”も、彼女らを作り上げる大きな魅力の一つだろう。

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