1988年10月に発売されたのが、セガの『メガドライブ』だ。まだまだファミコンが主役のテレビゲームのなかで、迫力あるグラフィックやBGMが話題となっていた。なかでもメガドライブの良さが分かりやすいのがアクションゲームで、アーケードの移植や続編が楽しめたもの。そこで、筆者も大好きだったメガドライブの初期アクションゲームを紹介していこう。
■スライディングでヒットアンドアウェイを実践した『ストライダー飛竜』
まずは1990年9月に発売されたカプコンの『ストライダー飛竜』だ。もともとは1989年にアーケード版で稼働されている。
なぜか悪の帝王にたった一人で立ち向かうことになった主人公・飛竜を操作するのだが、この飛竜はジャンプして壁や天井に張り付くことができ、宙返りも可能と体感が素晴らしい。一応、忍者を前身とした諜報活動をメインとしている集団「暗躍集団ストライダーズ」の一員らしい。
各地に散らばっているのか、ほかの仲間が助けに来てくれないのが不思議だったな。いや、諜報活動がメインだけに、これほど表立って敵地へ侵略していくのは飛竜くらいなのかもしれないが。
攻撃はプラズマ光剣という、なにやら難しい武器を使って敵を倒していく。もちろん、スライディングで攻撃も可能で、なかなか倒しづらい敵キャラもスライディングで攻撃しながらジャンプで後退し、またスライディング……と、ヒットアンドアウェイが繰り出せるのが良かった。
ちょっと敵との距離感を掴みづらい面もあるのだが、当時の家庭用ゲーム機としては画期的なゲームで、アーケードから移植できたのは大きい。アイテムとして設置されているサブウェポンも強力で、基本的に爽快感を味わえる良作だったな。
■オープニングからカッコいい! 最高のBGMでやり込み甲斐があった『ザ・スーパー忍』
1989年12月にセガから発売された『ザ・スーパー忍』も、名作アクションゲームだった。アーケードで人気を博した『忍 −SHINOBI−』の続編であり、前回壊滅させた悪の組織・ZEEDの残党が復活し、ムサシの許嫁をさらってしまうというメガドライブオリジナルストーリーだ。
オープニングから、主人公であるジョー・ムサシの目力が半端なくカッコいい。BGMも抜群の素晴らしさで、ゲームを盛り上げてくれる。ムサシは基本的に刀と手裏剣、忍術で敵を倒していく。
手裏剣は残数があり、使い過ぎてしまうのも難点だ(初期装備数は最初のオプションで変更可能)。そして忍術も何度も使えるものではなく、4種類のなかから選択してラウンドごとに1回のみ使用可能だった。なかなか厳しい設定なのだが、そのぶん忍術を多用しないのでやり込み甲斐もあるというもの。
本作は、スタートから敵が強かった。ザコキャラのなかでも防御してくるタイプは結構やっかいで、とくにラウンド1に出てくる武士なんて、刀でこちらの手裏剣を防いでくるから何発も連射してしまう。手裏剣の無駄遣いになってしまったものだ。
ボスキャラにスパイダーマンやバットマン、超人ハルクにゴジラなどユニークさを持ち、二段ジャンプの「八双飛び」やこれを活かした「八双手裏剣」など、初心者でも楽しめる内容も取り入れている。
そういえば、自爆して敵をせん滅する“微塵の術”という術もあったな。仲間がいないのだから残機を減らすよりもライフを減少させたほうがいいんじゃ……?って、当時は思ったものだった。
ただ、一つ難点だったのはダッシュができないこと。許嫁をさらわれてしまったのだから、少しくらい急げばいいのに……。