『役満』『海戦ゲーム』『ボクシング』も…まさに“外で遊べるファミコン”だった! 通信対戦で熱中した『ゲームボーイ』の初期名作3選の画像
『GAME BOY』(任天堂)

 1989年4月に任天堂から発売された『ゲームボーイ』。“携帯型ゲーム機”という特性もあって、当時は“外で遊べるファミコン”と簡単に考えていたものだ。大ヒットを飛ばした『テトリス』のようにゲームボーイはソフトも充実し、人気を博していく。

 筆者はとくに対戦ソフトにハマった。ゲームボーイならではの対戦ゲームは、ファミコンでは味わえない緊張感を味わえたものである。そこで、対戦が楽しかったゲームボーイの初期名作を紹介していこう。

■手に汗握った! 麻雀ゲームで対戦できるのが嬉しかった『役満』

 1989年、ゲームボーイと同時に発売された任天堂のローンチタイトルの一つが『役満』だ。

 今のようにネット環境もないので、これまで発売された麻雀ゲームはどうしても一人用となっていた。ただ、ゲームボーイでは通信対戦があるので、相手の“手”を見ないで進行できるのが画期的だったもの。お互いの画面が見えない麻雀はまさに理想的で、純粋に嬉しかった。

 当時中学生で、麻雀を覚え立てだった筆者にとって、友達との対戦は自分の腕が上がったのかを知るいいチャンスでもあった。とはいえ、中学生が集まって朝から麻雀をするのだから、その家の母親たちは息子が不良になったと勘違いしてしまっていたようだ。これが将棋やトランプだったら怒られないのだから、理不尽極まりない……。

 ゲーム自体はエンディングなどこれといった目標はないのだが、本作は1人でも十分楽しめる内容となっており、延々と麻雀ゲームをプレイできる。

 実際に麻雀をするとなるとメンツが4人必要だったり、長丁場となるだけに面倒な部分もあるものだ。その点、『役満』は携帯ゲーム機ならではの特徴を生かしており、良作だったと言えるだろう。

■対戦プレイが熱かった! 運と戦略性が重要な『海戦ゲーム NAVY BLUE』

 1989年11月にユースから発売されたのが、『海戦ゲームNAVY BLUE』だ。ゲームボーイと同年に発売されたことで、注目したものだったな。

 昭和に流行った紙ベースの「レーダー作戦ゲーム」が好きな人なら面白いと感じたはずで、筆者も友人たちとおおいに盛り上がったものである。とはいえ、万人受けするとは限らないのも確かだろう。ときどき辛辣な評価を目にすることもあるが、楽しませてもらった筆者からするとちょっと忍びない……。

 このゲームは8×8のグリッドに自陣の戦艦や駆逐艦、潜水艦などを配置する。ゲームを進めていくと護衛艦や巡洋艦が使えるようになっていくのだが、それぞれ使用するマス目が異なり、搭載している武器やアイテムも違う。

 基本は1マスずつを互いに攻撃していくのだが、自陣の艦船が所有しているアイテムを使用することができる。たとえば潜水艦はレーダー検知できるので、これに反応した場合、相手の艦船を予想して攻撃する……など。

 艦船はお互いに移動できないが、すべてのアイテムを上手に駆使して敵艦をせん滅するのが勝利の近道となる。運要素がかなり高いながらも戦略性が重要なゲームで、筆者は友人たちと燃えたな。ちょっと友達を罠にはめたくなってしまうのだが、やり過ぎると口をきいてくれなくなるので注意が必要だった。

 時間がかかるのは難点だったが、翌年には『海戦ゲーム NAVY BLUE 90』が発売され、ニアミス判定が加わって時短となったので、戦略性がさらに緊迫したものとなっていったな。

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