■名作アクション『源平討魔伝』がなぜかボードゲームに!?

『源平討魔伝』

 最後の1本は『源平討魔伝』(ナムコ)。アーケードの名作として名の上がる純和風伝奇アクションですが、なんと大きなボックスにマップやカード、メタルフィギュアなどが同梱されたコンピュータボードゲームとしてファミコンに移植されました。確かに当時のナムコは『ドラゴンバスター』や『ドルアーガの塔』のボードゲームを発売していましたが、まさか『源平討魔伝』がファミコンでボードゲームになると誰が予想できたでしょうか。

『源平討魔伝』

 そんなファミコン版『源平討魔伝』ですが、フィールドの敵と『ドラクエ』ばりのコマンドバトルで戦って平景清を育てて支配国を増やし、日本を征服される前に源頼朝を倒すというボードゲームというよりもRPGライクなゲームなのです。確かに実物のマップやメタルフィギュアなどがあれば、頼朝の支配エリアが分かりやすいのですが必ずしも必要ではなく、それならばガッチリRPGとして作られてもよかったのでは? と思えるゲームなのです。曲はアーケード版のアレンジでファンも納得のデキですし、敵もアーケード版に登場した妖異ばかりで『源平討魔伝』らしさはあるのですが、遊べば遊ぶほど「なんかいろいろと違うんだよなぁ」と思わざるを得ない作品になっていたのも確かです。

『源平討魔伝』

 技術やスペックの限界、マーケティングやスケジュールの結果など、さまざまな理由で姿かたちの変わってしまったゲームたち。もとのゲームに思い入れがあるほど、「どうしてこうなった!?」と感じてしまうファミコンへの移植作も多いですが、その思いをちょっと横に置いて遊んでみると、意外と面白いかもしれませんよ。

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