アーケードで人気だった『ドンキーコング』や『ギャラガ』など色鮮やかな作品がそのまま自宅のファミコンでもプレイできるということは、家庭用ゲーム機の躍進のひとつであったことは疑うべくもないことです。その後もファミコンへはさまざまな作品が移植されましたが、マシンスペックの違いで微妙なデキになるのとは別に、どうしてこうなったのか? というソフトも少なくありません。
そこで、今回はそんな「なんで?」と思わずにはいられないファミコンソフトを3本紹介したいと思います。
■なぜか高橋名人が腰ミノひとつで登場になった『高橋名人の冒険島』
1本目はハドソンから発売された『高橋名人の冒険島』。高橋名人といえば「16連射」で有名なシューティング名人ですが、間違っても腰ミノひとつで石オノ投げつつスケボーに乗るような方ではなかった(はず)です。
このゲームは、1986年3月ごろのアーケードゲーム『ワンダーボーイ』のファミコン移植作。移植にあたって出現するキャラクターやサウンドが変更されたり、新しいステージが追加されているのですが、さすがに主人公が高橋名人になって、そのうえタイトルもそれにちなんだものになったのは謎すぎです。ゲーム自体は元のゲーム同様というか難易度は高めで、私も当時(今もですが)クリアできませんでした。が、それ以上に“なんで高橋名人が??”と気になってましたが、その後もシリーズが続いたことを考えると正しい改変だったのかもしれませんね。
■『夢工場』って何? キャラがマリオファミリーになった『スーパーマリオUSA』
続いては『スーパーマリオUSA』(任天堂)です。元となったゲームは、フジサンケイグループが開催した「コミュニケーションカーニバル 夢工場'87」のタイアップゲーム『夢工場ドキドキパニック』。能力の異なるアラビアンな4人の主人公を使い分けるアクションゲームですが、ディスクシステムで発売されたゲームなので知らない人や遊んだことのない人も多いのではないでしょうか。
アメリカで発売するにあたり、主人公をマリオファミリーに置き換えた本作。キャラクターが変わったとはいえ、地面に植わった野菜を引き抜いたり、敵を持ち上げて投げたり、それまでの『マリオ』シリーズとは違うプレイ感があって面白いゲームです。ディスクからロムへ、タイアップキャラからマリオへとキャラもメディアも変わってしまいましたが面白さはそのまま受け継がれ、なによりディスクシステムがなくても遊べるというのは嬉しい変更点であると同時に、レトロゲーム復刻の先駆けといえるのかもしれません。