■相手の腕を粉砕したユニコーンのグーパンチ

 最後に『機動戦士ガンダムUC RE:0096』第21話「この世の果てへ」より、ユニコーンガンダムがネオ・ジオングに放ったグーパンチを紹介したい。

 最終決戦において、フル・フロンタルの搭乗するネオ・ジオングは、バナージ・リンクスのユニコーンガンダムに対しサイコシャードを展開、ユニコーンガンダムの武装を破壊した。爆煙の中、バナージは「それでも!」と叫び、ネオ・ジオングに迫る。二人の戦いは近接戦闘へ発展した。

 一度はネオ・ジオングに捕らわれてしまうユニコーンガンダム。しかし、バナージの雄叫びと共にネオ・ジオングの腕を振りほどくと、そのまま右のグーパンチを放ち、同じくパンチを繰り出していたネオ・ジオングの腕を盛大に破壊したのだ。拳と拳がぶつかり合う、男らしさにシビレてしまう名場面だった。

 その後、バナージとフロンタルは、サイコフレームの増幅と共振により、歴史と記憶を垣間見る。シャアとララァの声を聞いたフロンタルは、自身の引き際を認めると、ネオ・ジオングは徐々に崩壊していった。

 最後はグーパンチではなく、「君に託す、成すべきと思ったことを」のセリフとともに、ニュータイプらしい決着をつけたのである。

 さまざまな武器や兵器が登場するガンダムの宇宙世紀作品において、モビルスーツ同士のグーパンチによる肉弾戦は頻繁に見かける光景ではない。だからこそ、それが描かれる場面は鬼気迫る状況の演出にもなり、シビレるほど格好いい名シーンとして記憶に残るのだろう。

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