『鬼滅の刃』『ふしぎ遊戯』にも影響!? 江戸時代の小説ながらいまだにワクワクさせられる!「南総里見八犬伝」をモチーフにした作品の画像
画像はフラワーコミックス『ふしぎ遊戯』第1巻(小学館)

 江戸時代後期に曲亭馬琴によって書かれた長編小説『南総里見八犬伝』。その知名度の高さから、実際に読んだことがなくても、タイトルだけは知っているという人も多いのではないだろうか。

『南総里見八犬伝』は、室町時代後期を舞台にした、8人の若者を主人公とする物語。因縁に導かれし八犬士にはそれぞれ名字に「犬」の字が入っており、「仁」「義」「礼」「智」「忠」「信」「孝」「悌」の文字がある玉と、体にはアザを持っている。八犬士たちは仲間を集め、さまざまな困難がありながらも最後には合戦で皆で勝利を修めるという話だ。

「前世の因縁」「共通する名前や持ち物」などの設定だけでも、現在でもエンタメとして十分に通用する魅力がある。

 現在に至るまで何度も歌舞伎として上演され小説化、映像化、舞台化などさまざまな媒体で愛されてきた同作だが、漫画やアニメやゲームといったエンタメ作品の中にも『南総里見八犬伝』をモチーフにした作品は意外にも多い。

 例えば、渡瀬悠宇氏による『ふしぎ遊戯』は、四神天地書という本の中に主人公が入り込み、朱雀の巫女として体にアザ(字)のある仲間達を探す旅に出る冒険物語である。経緯や目的こそ違えど、このあらすじは『里見八犬伝』そっくりだ。

 また1999年からNHKにてアニメ放送されていた『コレクター・ユイ』は現実世界と仮想空間を舞台にした魔法少女作品。モチーフが『南総里見八犬伝』(厳密にはNHKで放送されていた人形劇 『新八犬伝』)であることがアニメ原案の麻宮騎亜氏のブログにて明示されており、主人公のユイに協力するソフト「コレクターズ」の仲間たちは八犬士からイメージしていること、またコレクターズが玉を持っているのも『新八犬伝』のオマージュだという。

 体に共通の印があったり同じ持ち物を持つ仲間を探すなど、『南総里見八犬伝』を一部でもモチーフにしている作品は枚挙にいとまがない。

 このほか、変わったところでは、細田守監督の映画『おおかみこどもの雨と雪』では、花の娘である雪のクラスメイトの名前が八犬士にまつわるものになっている。『南総里見八犬伝』を知っている人が同作を何気なく見ていると、ふとこの粋な設定に気づくかもしれない。

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