1990年11月に『スーパーファミコン』が発売されたことを受け、それまで一世を風靡していた『ファミコン』は、徐々に世代交代となっていった。ただ、ファミコン末期に登場した名作ソフトも実は多くあったものだ。
たとえば、1993年に発売された『ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画』(バンダイ:現バンダイナムコエンターテインメント)、『ロックマン6 史上最大の戦い!!』(カプコン)など、まだまだファミコンの需要があったあの頃……。そんなファミコン末期において、マイナーながらも知られざる名作たちが存在するので紹介していこう。
■進化したグラフィックと軽快なBGM『チップとデールの大作戦2』
まずは1993年12月にカプコンから発売された『チップとデールの大作戦2』だ。前作から大幅にグラフィックが進化し、チップとデールが同時プレイでも分かりやすくなっていた。
友人宅で遊ばせてもらったのだが、当時、筆者はアニメ『チップとデールの大作戦』を知らなかったので、チップとデールは『トムとジェリー』のようなものだと思っていた。軽快な音楽とスピーディーな展開に、ファミコンもここまできたのか……と、感慨深く思ったな。
床や天井をすり抜けることができるので、敵キャラの攻撃をかわしやすい反面、うまくジャンプする必要がある。ファミコン初期から遊んでいる筆者世代にとって、可愛らしくポップなグラフィックに驚き感動したものだ。
ボス戦も手強く、時間的にもクリアまで行けなかったが、もっと早く発売されていれば筆者もより一層楽しんでいたのだろうと思う。
それにしても、レストランのキッチンを狭しと走り回るシマリスとネズミって……いや、人間の立場で普通に考えたら恐怖でしかないぞ。
■ファミコンとは思えないキャラ数と豊富なコマンドの対戦格闘ゲーム『ジョイメカファイト』
1993年5月に任天堂から発売されたのが『ジョイメカファイト』だ。対戦型格闘ゲームで、選択できるキャラ数はなんと36体。1999年に発売された、初代『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』(任天堂)は12体だったので、それよりもずいぶん多いから驚きだ。ロボット同士の対戦で、2Pとのバトルも楽しめる。
ストーリーはロボット研究者である2人の博士が仲違いをし、一方の世界侵略をもう一方が止めるという戦いを繰り広げる……というものだった。
ロボットの基本動作には、通常のパンチに加えて強パンチもあり、ガードやジャンプ、足払い、ジャンプパンチなど多彩な動きがある。そして各ロボットには必殺技があり、コマンド入力で放つことが可能だ。
それにしてもこのゲームはかなり凄い。グラフィックが滑らかで、スーパーファミコンが発売された当時としても、本当にファミコンなのか?と疑ってしまうくらいだ。むしろスーパーファミコンで発売されたとしても、驚かないほどでもある。さすがは任天堂だ。
すでに高校生だった当時、部活の友人とファミコンのレアものを探していた経緯でプレイできたが、本当に燃えたものだ。小学生時代にプレイしたかったな。