■“硬派”を求めるか“親しみやすさ”を求めるか…『ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城』
1988年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)より発売された『コナミワイワイワールド』は、同社の人気キャラクターたちが互いの作品枠を飛び越えて入り乱れる“クロスオーバー”作品だ。
キャラクターたちの夢の競演はもちろんのこと、アクションゲームとしての出来も非常に良く、コナミ作品に馴染みの深いプレイヤーたちを大いに盛り上がらせた。
そんな本作の続編こそ、1991年に同社から発売された『ワイワイワールド2 SOS!!パセリ城』だ。タイトルから『コナミ』の社名が外れているものの、前作から地続きの世界観、ストーリーが展開される正式な続編作品である。
前作同様、『がんばれゴエモン』、『バイオミラクル ぼくってウパ』、『悪魔城ドラキュラ』、『月風魔伝』、『魂斗羅』といった同社の人気作品から数々の有名キャラクターたちが参戦している。
良質なグラフィックは健在で、それぞれの原作をモチーフとしたステージやギミックが多数用意されているのは、参戦作品のファンからすると嬉しい点だろう。また、システムやUIがより遊びやすく改善されただけでなく、前作で評判の良かった“小ネタ”の数々もしっかりと散りばめられている。
全体的に続編としてパワーアップした本作だが、一方で前作と比べて“作風”が大幅に変わったことで違和感を抱くプレイヤーも少なくはなかったようだ。前作はシリアスかつ硬派な世界観だったのに対し、本作はキャラがデフォルメ化された影響を受けてか、コミカルな演出が目立つ。より作品として親しみやすくなったという意味では、メリットともとれる変更点だろう。
アクションゲームとしてのクオリティは間違いなく高い一方で、前作からの大きな路線変更を受け入れられるかどうかという点で、評価が大きく分かれる一作かもしれない。
有名作品の“続編”は、ジャンルが変わっていたり、システム自体が大きく変更されていたりと、単純に地続きではない作品も多い。単体として楽しむのはもちろん、前作との相違点に注目してみるのも面白いかもしれない。