■続編では“ガトリング”を引っさげて登場…!『るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−』武田観柳

 1994年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載され、その凄まじい人気からアニメ化はもちろん、時を経て実写映画化した剣劇漫画といえば、和月伸宏さんの『るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−』だ。

 2023年7月からも新作アニメが始まるということで再注目されている本作だが、なかでも時を経て思わぬ“出世”を果たしたキャラクターこそ、原作初期に主人公・剣心らに立ちはだかった悪党・武田観柳だろう。

 青年実業家として活動する裏で“新型阿片”の密売を行っていた悪徳商人で、“金”のためなら手段を選ばない、清々しいまでの下衆キャラだ。作中では手練手管で剣心らを苦しめ、自身も“ガトリングガン”を使い、最後の最後まで見事な悪役としてあがいて見せた。

 実写映画では俳優の香川照之さんが彼を演じたのだが、彼の“怪演”とも言うべき演技の数々が、今までとは一味違った武田観柳像を視聴者に叩きつけた。

 非常に悪辣でありながら、どこか人間臭さも感じ取れるコミカルな演技はインパクト大で、武田をより魅力的な悪役として昇華させたといっても過言ではない。

 さらに、彼の“出世”はこれだけにとどまらない。なんと正式な続編として『ジャンプスクエア』(集英社)で連載が開始された“北海道編”に、まさかの再登場を果たしている。

 続編では、自身が愛してやまない“金”の力を駆使し死刑を免れ、なおも商売人として“金”を稼ぎ続けていた。これだけならば過去の敵キャラの“再登場”で終わるのだが、なんと彼は作中で剣心らが敵対する武装集団「劍客兵器」の一人である本多雨読と抗戦。自身の身の潔白を証明するため、かつて剣心らを苦しめた“ガトリングガン”を手に、雨読から勝利をもぎ取ってしまう。

 小悪党のはずが、実写版の怪演、そして続編で主人公らと共闘という、まさかの“大出世”を果たしたキャラクターである。

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