『ジョジョ』や『るろうに剣心』にも…アニメ化や実写化で“脇役から主役級へと大出世したキャラクター”3選の画像
キャラクタービジュアル (C) 和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」製作委員会

 人気漫画のアニメ化、実写化作品では、原作にはなかったオリジナルの展開や設定が盛り込まれることも少なくはない。とくに、原作では明らかに脇役だったキャラクターが、気がつけば重要ポジションを勝ち取った……なんていうケースも。メディア展開のなかで、思わぬ大出世を果たしたキャラクターたちについて見ていこう。

■その“ムカつき具合”は作者公認!? 『岸辺露伴は動かない』泉京香

 1986年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載を開始した『ジョジョの奇妙な冒険』は、今もなお舞台となる国や時代、主人公を変えて物語が脈々と続いている、荒木飛呂彦さんの代表作品だ。

 本作は漫画や小説のスピンオフ作品も多いが、なかでもとくに人気が高いのが、第4部のキャラクターを主人公に据えた『岸辺露伴は動かない』シリーズである。

 奇抜な漫画家・岸辺露伴が、さまざまな土地で出会う“怪異”に立ち向かっていくのだが、とあるエピソードに登場する編集者の女性・泉京香こそ、その後のメディア展開で意外な“出世”を遂げたキャラクターなのである。

 泉京香が初登場したのは『富豪村』なるエピソードで、彼女は漫画の打ち合わせのなかで、山のなかに孤立した“富豪”たちが住む謎の集落の話を露伴に持ち掛けた。

 彼女はその集落の土地が格安で売られていること、そしてその土地を手に入れた者は無条件で“富豪”になるという噂を聞きつけ、露伴に“取材”と称して同行を依頼したのである。

 その性格は、非常に自由奔放かつマイペース。癖の強い露伴を相手に、まるで怯むことなく自分の言いたいことだけを述べ、物事を深く考えない幼稚な面が目立つ。

 作者の荒木さんも、彼女について「ムカつきながら描きました」と堂々と宣言しているのだが、一方で「キャラとしては大好きで傑作の出来と自負します」とコミックスのなかで述べているほど。

 そんな泉京香だが、のちに『岸辺露伴は動かない』が実写ドラマ化されると、なんと岸辺露伴の“相棒”とも呼べる重要なポジションのキャラクターとして活躍することとなる。

 原作通り「富豪村」のエピソードでの活躍はもちろんのこと、そのほかの各エピソードにも登場し、随所で露伴とのでこぼこコンビっぷりを見せつけた。なかには彼女の存在が物語が大きく動く“鍵”となっていることも……。単独行動をすることが多かった露伴にとって、ある意味で貴重な“パートナー”といえる存在だ。

 癖は強いがどこか憎めない、なんとも不思議なテイストのキャラクターである。

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