『ゴッドサイダー』パズスや『ジョジョ』マニッシュ・ボーイも…少年漫画に登場する“ホラーすぎる赤ちゃん”の敵キャラの画像
『ジョジョの奇妙な冒険』2nd Season スターダストクルセイダース DVD-BOX 1/2 (第1-24話)

 穢れを知らない無垢な“赤ちゃん”は非常に可愛らしい存在だが、漫画作品には見る者を思わずぞっとさせる型破りな赤ちゃんキャラが登場する。赤ちゃんでありながら利口に、ときに狡猾に振る舞うホラーテイストな“赤ちゃん”たちについて見ていこう。

■傲慢かつ自信家な古代バビロニアの“食人魔王”! 『ゴッドサイダー』パズス

 1987年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された巻来功士氏の『ゴッドサイダー』は、神と悪魔の血を継ぐ主人公・鬼哭霊気が苦悩と葛藤を繰り返しながら、激闘を繰り広げていくバトル漫画である。

 本作には実在する神や悪魔をモチーフとしたキャラクターが数多く登場するのだが、そのなかで“赤ちゃん”の姿を見せたのは摩圖崇(パズス)教団を率いる大神魔王パズスだ。

 もともとはサタンとの戦いに敗れたことで封印されていたのだが、その後、人間の“赤ちゃん”の姿で生まれ変わることに成功したパズス。見た目こそあどけないが、高い知能を有しており、その性格は非常に傲慢。言葉遣いも悪く、なにかと他人を見下した言い回しが目立つ。

 ちょっとした部下の気遣いの一言にも激昂し、飛び上がって頭を殴りつけ罵詈雑言を浴びせるなど、“唯我独尊”を貫いているキャラクターだ。

 一方でその小さな肉体に宿した“魔王”としての力は本物で、バラバラにされようとも難なく再生し、傷を負ってもまるで動じない“不死身性”は見る者を圧倒させる。

 頭部を爪で貫かれ血まみれになろうとも無邪気に笑い、さらに汚い言葉遣いで相手を嘲笑するさまはまさにホラー……。

 作中では急成長を遂げ、やがて青年の姿を経て完全体へと変貌するのだが、終始、その圧倒的な実力でゴッドサイダーたちを苦しめ続けた。性格、実力、威圧感……どれをとってもまさに“魔王”の貫禄たっぷりな、なんとも邪悪極まりない赤ちゃんキャラである。

■眠ってしまったらジ・エンド!? 『ジョジョの奇妙な冒険』マニッシュ・ボーイ

 1986年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始され、今もなお新たな時代を舞台に物語が続いている『ジョジョの奇妙な冒険』は、荒木飛呂彦氏の代表作品である。

 なかでも作品を象徴する能力・“スタンド”が登場する第3部はとくに人気が高いのだが、この3部に登場する赤ちゃんキャラこそ、主人公・空条承太郎らをそのスタンド能力でおおいに苦しめた、マニッシュ・ボーイである。

 ひょんなことからジョースター一行と旅路をともにすることとなった赤ちゃんなのだが、その正体は宿敵・DIOが差し向けた刺客の一人。

 表面上は生後11カ月の赤子として振る舞っているが、実は言葉を理解しており、非常に狡猾な性格をした、いわば“天才”なのである。作中では、頭のなかで大人顔負けの悪態をつく、煙草を吸う、安全ピンを使ってサソリを刺し殺すなど、実に赤子離れした数々の活躍を見せつけた。

 これだけでもかなり規格外の存在なのだが、真に恐ろしいのはその“スタンド能力”である。

 彼のスタンド・「デス13」は、巨大な鎌を持った死神のような姿をしており、眠りについた相手を“夢”の世界に引きずり込み、あの手この手で危害を加えるというもの。夢のなかで負った傷はそのまま現実世界にも反映されてしまうため、そのまま殺害されてしまうこともあり得るのだ。

 加えて、夢のなかでは他者がスタンドを出すことはできず、デス13に対抗することも難しい。幼子のふりをして機会を待ち、夢のなかで他者を殺害してしまう、どこかメルヘンかつおぞましい能力を有した赤ちゃんキャラだ。

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