■リアルタイム制の部隊操作と一騎打ちが斬新だった戦闘シーン

 当時のシミュレーションゲームといえばターン制が主流であり、自分の行動を選択してから順番にその結果が反映されていく。これはRPGでも同様だった。

 本作でもスクエア上に部隊を配置するのだが、これらが攻撃することで部隊同士の戦闘シーンに入るのだが、このゲームではターン制を覆すRTS(リアルタイムストラテジー)を導入しており、リアルタイムで指示を与えて行動を変化させることができた。

 そのため、常に画面を注視しないとならず、敵を捕縛したいのに誤って攻撃し続けて討ち死にさせてしまうこともしばしばあったものだ。

 また、本作は登場する武将が少ないだけに、うまく敵陣営の武将を味方に引き入れることが重要な要素でもあった。筆者も何も分からずに敵武将を倒しまくって、武将が足らなくなり苦労したものだった。

 そして、三国志の華ともいえる“一騎打ち”も本作では光栄より先に導入していた。横山光輝さんの漫画『三国志』を愛読していたので、やはり一騎打ちは斬新であり燃えたものだ。武将同士が接近しないとできないので最初はうまくいかないのだが、上手に敵を誘い込んでいくのが痛快だった。

 

『三国志 中原の覇者』は武将の成長やコマンド実行の命令書、アニメーション、RTS、一騎打ちなど、光栄にも先駆けたシステムが目立っていた。しかも、これらのシステムは今日に至るまで続いているものばかりであり、着眼点が素晴らしいといえるだろう。

 それでいてシミュレーションゲームが初心者向けの内容ともなっており、あらためて凄いゲームで革新的だったな。

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