個性豊かなハムスターたちが登場する、唯一無二の人気作品『とっとこハム太郎』。20年以上の歴史のなかでさまざまなグッズが発売されているが、任天堂より発売されたゲームシリーズは、現在でも“神ゲー”と称されるほど人気を博した。
しかしハム太郎たちの可愛さとは裏腹に、子ども向けとは言い難いトラウマ要素が含まれていたことでも知られているのをご存じだろうか。今回は、当時の子どもたちに突きつけられた『ハム太郎』のゲームの大きなトラウマ要素を2つ紹介したいと思う。
■人形嫌いになったのはこのゲームのせい?『とっとこハム太郎3 ラブラブ大冒険でちゅ』
まずは、2002年に「ゲームボーイアドバンス」ソフトとして発売されたシリーズ第3作、『とっとこハム太郎3 ラブラブ大冒険でちゅ』より、おばけ屋敷の最奥にある不気味な部屋を紹介したい。
カップル限定の施設、「ゴーストナイト」に入場したハム太郎とリボンちゃんだが、ここで2人はまさかの体験をすることとなる。おばけに扮したハムスターたちが各所で驚かしてくるかと思いきや、登場するのはなんとすべて本物の幽霊なのである……。
突然驚かしてくるわけでもなく、進んだ先でぼんやりと現れたり、壁の中にスッと消えていくという幽霊たち。その不気味さに、プレイする手を思わず止めてしまった子どもは多かったことだろう。
ほかにも、鏡の部屋では“リボンちゃんだけが鏡に映らない”というような仕掛けもあり、夜に鏡を見るのが怖くなってしまう。
印象深かったのは、リボンちゃんが屋敷内のピアノでベートーヴェンの『月光』を弾いたシーンだ。その選曲に疑問を覚えると同時に、もの悲しいピアノの旋律にさらなる恐怖心を煽られた。
緊張感が増していく数々の仕掛けを乗り越えながら、最奥で幽霊が消えていった壁を壊してなかに入ると、そこには目に光のないハムスターたちの人形がずらりと並べられている。
『ハム太郎』のゲームとは思えないような不気味な光景は、もはやトラウマもの……。かくいう筆者も、あまりに怖すぎるこの人形部屋をあらためて見て、大人ながら内心ドン引きしてしまったのは言うまでもない。