『ハイパーオリンピック』に『スターソルジャー』子供たちの指が悲鳴をあげた…ファミコン時代の「連射&連射」のゲーム3選の画像
ファミコン『スターソルジャー』(編集部撮影)
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 子どものころは足が速かったり絵がうまかったりと、なにか一芸あれば、それなりにヒーローになれました。ゲームでもそれは同じで、ファミコン時代には「連射が速い」なんて理由でもてはやされていた人もいたと思います。

 高橋名人のブームによって、子どもたちが「ゲームのうまさ」を追い求めていたあの頃。1987年にはハドソンから、10秒間に何回連射ができるのか計測することができるおもちゃ「シュウォッチ」が発売され100万個以上を売り上げる大ヒットを記録しましたが、それだけ当時の子どもたちの間では「連射」は日常でした。

 そこで今回は、思い出すだけで指先が熱くなってしまうような、ファミコン時代に「連射」に燃えたゲームを3本紹介したいと思います。

■こすり連射から鉄定規までルール無用だった『ハイパーオリンピック』

『ハイパーオリンピック』

 初めて連射することに命を燃やしたゲームといえば、1985年にファミコンに移植された『ハイパーオリンピック』(コナミ)を置いて他にありません。白いボディに2つの赤いボタンがついた専用コントローラー「ハイパーショット」で、100メートル競走、走幅跳、やり投、110メートルハードル、ハンマー投、走り高跳びの6種目を競うゲームです。ボタンは「RUN」と「JUNP」の2つで、ほとんどの競技でRUNボタンの連打が必須でした。

『ハイパーオリンピック』

 最初は通常のコントローラーと同様に親指や人差し指での連射。それでも記録が伸びないと、人差し指から小指までを掌側に曲げ、腕を振って爪の背で連射する“こすり”。さらにエスカレートしてプラスチックの定規や鉄の定規をリズム良く弾いたり、ガチャガチャの玉をこする連射など、ルール無用の勝負になるまでにそう時間はかかりませんでした。

 筆者もこのゲームでこすり連射を体得したものの、爪の背が摩擦で熱く痛くなることも。あまりの痛さに何度もプレイすることはできませんでしたが、もっとも熱い100メートル競走で友人たちとタイムを競う楽しさは今でも覚えています。

■『スターソルジャー』で誰もが目指した16連射

『スターソルジャー』

 高橋名人の「16連射」でいちやく有名になったシューティングといえば『スターフォース』ですが、本格的に連射に燃えたシューティングといえば、ハドソンから1986年に発売された縦シューティングゲーム『スターソルジャー』を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。

 とにかく撃ちまくるシューティングですから、連射が命。前述のように、ファミコンキッズの間では当時いろいろな連射法が広まっていましたが、筆者は少しゆっくり目のこすり連射が一番フィットしましたね。それでもラザロを安定して倒せない……つまり安定した16連射はちょっと無理でした。また、シューティングゲームなので敵と敵弾を撃って避けつつ連射を継続しなくてはならず、これが1プレイごとに結構疲れます。連射だけではなく、同時に“ゲームをしてる!”という充実感があったように思えます。

『スターソルジャー』

 なお、『スターソルジャー』発売からしばらくしたころに友人が買った連射コントローラー「ジョイカードMK.2」を使わせてもらい、とんでもない衝撃を受けました。この少し前には世界初の連射機能を備えたファミコン用コントローラー「ジョイボール」が発売されていて使ったことがあったのですが、やはり純正のデザインに連射機能がついた「ジョイカードMK.2」の使い心地の良さは他に変え難い。子どもたちのゲームの楽しみ方を大きく変えた歴史的周辺機器のひとつでしょう。

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