■見知った世界がそこに!サブタイトルが伏線
最後に紹介する伏線は『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』。1988年2月10日にファミコンで発売された『ドラクエ』シリーズの3作目で、社会現象を巻き起こしたシリーズを代表する作品のひとつだ。
本作の伏線は、サブタイトル、そして作品全体に張られているといっても過言ではない。魔王を打倒するために勇者が旅をする王道のストーリーで、プレイヤーは順調に進めて世界に平和を取り戻す。
しかし、大魔王ゾーマと地底世界の存在を知り、旅は続く。勇者がいよいよ地底世界に降り立つと、そこは『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII』の舞台だったアレフガルドだった。この時点でかなり胸を躍らせるエモい展開だ。
大魔王ゾーマを倒しエンディングを迎えると勇者はロトの称号を戴き『ドラクエ1・2』で語られた「勇者ロト」であったことが判明。さらに、テロップで「そして でんせつが はじまった!」と表示され『ドラクエ1』へ物語が続いていくという仕組み。ゲームをクリアしたことに対する感動はもちろん、『ドラクエ1』に回帰する演出は神がかった伏線回収といえるだろう。
ストーリーを重視するゲームにおいては伏線とその回収が重要で、古くから続く『ドラクエ』シリーズも例外ではない。本シリーズでは、今回紹介した以外にも胸をアツくさせるような伏線が多いので、未プレイの方はぜひプレイしてみてほしい。
今回の「ドラクエの日」では残念ながら続報はなかったが、『ドラゴンクエストIII HD-2D版』、そして初のダークファンタジーを謳う『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』の展開も気になるばかり。昨年12月の「ファミ通.com」のインタビューで堀井雄二氏は『3』だけでなく、『1』そして『2』のHD-2D版の制作に対しての思いを語っているが、『3』から始め、『1』そして『2』とプレイしたときに「2で終わったときにおおっとなるものを作りたい」と話している。いったいどのような仕掛けで驚かせてくれるのか、プレイできる日を心して待ちたい。