5月27日に、37年前のファミコン用ソフト『ドラゴンクエスト』の発売にちなんで「ドラクエの日」としてSNSやゲームでさまざまなイベントが行われた。現在、ナンバリングタイトルは11作目となる『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』まで発売されているが、いずれの冒険も先の展開が読めず、ハラハラしそして感動するものばかり。
そこで今回は歴代の『ドラクエ』シリーズを振り返り、あっと驚いた伏線とその回収を3つピックアップ。記事では一部ストーリーについての解説を含んでいるため、未プレイの方にはご注意いただきたい。
■時をさかのぼり重要アイテムをすり替える
まずは1992年9月27日にスーパーファミコンで発売された『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』から。モンスターを仲間にできるシステムと、親子3代にわたる壮絶なストーリーを描いた、シリーズ屈指の大人気作品だ。
本作で多くのプレイヤーを驚かせたのはやはり「ゴールドオーブ」についてのエピソードだろう。ゴールドオーブは、幼少時代の主人公が同じく幼い頃のビアンカとともに夜の冒険に出かけ、忍び込んだレヌール城でたまたま手に入れたもの。主人公はしばらくオーブを持ち歩いていたが、その後訪れた古代の遺跡で、敵キャラクター・ゲマによって粉々に破壊されてしまうのだった。
これが後の青年時代編で、天空城を浮上させるためのキーアイテムであると知らされるが、これが実は壊されていなかったことが判明する。
少年時代の主人公を操っていたプレイヤーはサンタローズの村で謎の男性と出会っており、その男性にオーブを見せてくれないかと頼まれている。実はそのときの男性こそが大人になった主人公。
ゴールドオーブの重要性を知った主人公は、時間をさかのぼり幼少時代の自分に会いにいき、ゴールドオーブを偽物とすり替えていたのだ。つまり、ゲマに破壊されたゴールドオーブは偽物で、このイベントを経て天空城は無事に浮上した。幼少時代のモブとの何気ない会話と思われた場面が後に繋がる、まさかそれが未来の主人公だとは誰もが予想できなかったに違いない。
なお、幼少時代の主人公が青年時代の自分と思われる人物と会話した際「お父さんを大切にしてあげるんだよ」という言葉をかけてくれる。当然、当初はプレイヤーも何のことか分からないが、後々判明する壮大な伏線といえる。
■呪いを受け付けない秘密は出生にあり
続いて紹介するのは『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』。2004年11月27日にPlayStation2で発売されたシリーズ8作目で、スキルポイントによる育成システムと個性的なキャラクターが人気を博したタイトルだ。
本作は主人公の出生について謎が秘められており、エンディング後の隠しストーリーで明らかになる。その最初の伏線は、初めてのボスであるザバン戦。ザバンは「呪いのきり」という攻撃で、全体を1ターン休止状態にしてくる。パーティメンバーのヤンガスは呪いを受けるが、主人公は呪い状態にならない。さらに、トロデーン城がイバラの呪いを受けた際、城に住む人々は植物のようになってしまったが主人公は無事だった。
実は、主人公は竜神族の末裔で、幼い頃に複雑な事情から記憶を消されて集落から追放されている。それが強力な「呪い」の一種であるため、ほかの呪いは受け付けなかったのだ。最初のボス戦で発生する伏線を、クリア後に回収するという壮大な展開に当時は驚いた。