『源平討魔伝』や『真田十勇士』も…時代背景が好きな人はハマった! ファミコンでは珍しかった懐かしの“歴史系RPG”の画像
ファミコンソフト『源平討魔伝』

 ファミコンには、歴史好きにはたまらないゲームがあったものだ。代表的なのは光栄(現:コーエーテクモゲームス)の、歴史シミュレーションゲームだろう。ただ、ファミコンではシミュレーションゲーム以外にも珍しい歴史系RPGがあり、非常に面白かった。おそらく、筆者のように時代背景が好きな人はハマったのではないだろうか。そこで、歴史系RPGを3選紹介していこう。

■アーケード版と変わった設定が逆に良かった? RPG風なシステムで箱が豪華だった『源平討魔伝』

 まずは、1986年にアーケードで大人気となった横スクロールアクションゲームの『源平討魔伝』(ナムコ:現 バンダイナムコエンターテインメント)だ。1988年にファミコンへ移植された際には、アーケードとはまったく別物のボードゲームとなっていたが、マップ上を移動し、コマンド式の戦闘画面や能力向上するシステムがRPGを彷彿とさせていた。

 主人公は地獄から蘇った平景清を操作して、鎌倉にいる源頼朝を倒すというストーリーなのだが、あの頼朝が魔族を率いているという設定が面白かった。義経や弁慶が敵として登場するのも珍しいといえたな。

 基本はボードゲームなので、全国マップが入った箱が豪華だった。ただ、友人と遊ぶよりも一人で遊んだ人が多かったことだろう。筆者も一人で遊んだ記憶しかないな……。このゲームはボードゲームの特性でもある国盗り合戦にもなっており、頼朝も国を攻めてくるので、一人でプレイすると全国制覇は難しかった。

 筆者はこのゲームで旧国名を覚えたものだ。そもそも日本という国なのに、地域を「国」と表現するのは小学生ながら違和感があったな。

 アーケード版が人気だったので、「アクションゲームではないのが残念」という声も聞こえるようだが、筆者はこの設定がむしろ良かったと思う。ファミコンの画質では、アーケードと同じようにはいかなかったかもしれない。

■佐助や才蔵だけじゃない! 十人の仲間を覚えた『真田十勇士』

 次は、1988年にケムコ(コトブキシステム)から発売された『真田十勇士』だ。令和の現代でも抜群の知名度を誇る戦国武将の真田幸村が主人公で、仲間となる十勇士を集めて宿敵・徳川家康を倒すのが目的だ。

 フィールド上ではランダムエンカウントでバトル発生となるRPGなのだが、家来の人数がHPの代わりとなり、家来の多さが攻撃力につながるというシステムだった。そのため、この家来をいかに増やしていくのかがカギとなる。

 戦闘するたびに家来が減るので補充をしていくのだが、これは戦闘で敵を話し合いで説得すれば自軍に引き込める。しかも、どれだけ連れていくかも決められており、その人数に応じた兵糧を渡さなくてはならない。

 また、侍や槍、鉄砲などの兵科も決まっているので、引き入れる部隊と異なる兵科を説得する場合は必要な武器を与えないといけない。兵科が同じなら、武器はなくても説得可能だ。また、この兵科は相性もあるので戦闘時に効果を発揮する。苦手な兵科と対決すると、ダメージが与えづらいのが厄介だった。最初は混乱するが、慣れてくると問題なくサクサク進められた。

 敵を味方につけながら進めるのだが、家来には「忠誠度」もあった。戦闘や家来が増えると下がってしまうので、定期的に俸禄を与えて忠誠度を保つ必要があるのだ。もはやシミュレーションゲームともいえよう。戦略も重要になるのが面白い。

 そして、最大の魅力が十勇士を全員覚えられることだろう。“真田十勇士”を小説や漫画、映画などで知ることはあっても、真田幸村をはじめ、有名な猿飛佐助や霧隠才蔵、筧十蔵あたりしか覚えていないという人は多い。

 しかし、このゲームでは十勇士全員にスポットが当てられているので、兵科や特徴についても一通り理解ができるのがよかった。「やっと仲間にできたか、清海!」と思ったら、まさかの“くノ一”で「女性!?」となった人は多いかもしれないな。

 仲間が多すぎて、作業化すると全員を使う機会もなかなかなくなるのだが……。ただ、当時としては画期的で斬新な設定だったのが面白かったな〜。

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