『HUNTER×HUNTER』登場キャラ300人超…「暗黒大陸編」の“地味だけど気になる”モブキャラ3選の画像
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 現在、“暗黒大陸編”まっただ中の『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博氏)。新世界(暗黒大陸)への探索に加え、王位継承をかけた殺し合い、ハンター協会の行く末、さらには“緋の眼”を追うクラピカに、ヒソカを追う幻影旅団、そこに絡むマフィアたちの抗争……一つの船上でいくつもの物語が交錯し合う壮大なスケールの新章は、それだけに登場キャラの数も半端なく、その数はなんと300人を超える。

 こんなにキャラがいれば当然目立たないほうが多いわけだが、モブキャラでも有名なワードを残すなどして話題に上ることが多いのが冨樫作品の神髄だ。そこで今回は暗黒大陸編のなかから、“地味だけど気になる”モブキャラを3人ピックアップしてみた。

■今後キーパーソンとなりうるのか…十二支ん・卯「ピヨン」

 “暗黒大陸”とは、作中の世界の外側に存在する未知の世界のことだ。これまで人類が大陸に進出しようとするたびに大きな厄災がもたらされたという歴史があり、世界の主要5か国(近代5大陸=V5)によって不可侵条約が締結されていた。しかし、新興国“カキン帝国”が、ネテロ会長の息子を名乗るビヨンド=ネテロを探検隊長に擁立して暗黒大陸への進出を宣言したことから、物語は動き出す。

 この流れに際してハンター協会は、V5からビヨンドを監視する依頼と、ネテロ会長が生前下した“ビヨンドより先に暗黒大陸探検を成功に導け”という指令を同時にこなすことを余儀なくされた。ビヨンド監視の任務に失敗すれば、V5からの信頼を失い協会に未来はない。しかも、協会最高幹部“十二支ん”のなかにビヨンドの内通者がいることも明らかになっている。

 この経緯を受けて、まず一人目は十二支ん・卯の「ピヨン」に注目したい。うさ耳としっぽ、ミニスカ、ニーハイという可愛らしい姿の彼女は、会長総選挙で司会を務めた以外は目立った活躍もなく、能力も不明で、今のところモブキャラと変わらない扱いだ。

 現在ピヨンについて分かっているのは、古文書ハンターで、言語学者、通訳であること。今回の任務では情報班として、暗黒大陸の文明と接触した場合の解析ソフトの作成や、大陸へ向かう船の乗客データの確認や再構築などを行う。任務の特性を考えると相当重要なポジションであり、もしかしたら今後キーパーソンとして活躍を見せてくれるかもしれない。

 逆に言えば、意図的に解析ソフトに間違った情報を組み込む、意図の違う言葉を通訳するなどして、周囲をミスリードするチャンスも多い。十二支ん内での派閥も改革推進のタカ派という点から、協会内の改革を目論み、誰もが驚くようなトリッキーな能力で物語全体をかき乱してくれたりして……と、期待が膨らむ。

■キレッキレの頭脳が大活躍! 第14王子・ワブル陣営「シマヌ」

 渦中の十二支んに新たに参入したクラピカだが、真の目的は“緋の眼”の奪還にある。その目的を果たすため、今回の船旅に同行する14人のカキン王子のうち、第14王子・ワブルの警護につくことになった。そしてワブルの母で第8王妃・オイトから、今回の旅はカキンの王位継承戦も兼ねた、王子が残り一人になるまでの殺し合いの旅だと聞かされる。

 そこで二人目に注目したいのは、オイトの侍女「シマヌ」だ。決して華のある役どころではないが、No.365「選択」では頭脳明晰なところを見せ、ネットで“シマヌ回”と絶賛された。

 その“シマヌ回”というのが、ワブル陣営に3人の上位王子から同時に連絡があり、誰を優先させるべきか?という選択を迫られる場面だった。立場の弱い下位王子陣営にあっては生死に直結する場面で、シマヌはクラピカの命令を無視して独自の判断をする。それが各王子の性格や現状を分析したうえでの非常に的確な判断であり、しかもそれを瞬時に下したわけだから、相当な切れ者であることは確かだ。この出来事により、クラピカもシマヌに一目置くこととなる。

 シマヌは代々王族に仕えていた家系ということもあって、内部事情にも詳しい。クラピカとの絡みも多いため、今後もその頭脳を活かして物語の展開に大いに貢献していくのではないだろうか。

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