■ハイクオリティなゲームシステムで“霊界探偵”たちの熱いバトルを実現!『幽☆遊☆白書2 格闘の章』

 1990年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された『幽☆遊☆白書』は、冨樫義博氏の代表作として、その高い人気からアニメ化、ドラマ化、舞台化などさまざまなメディア展開を続けている。

 主人公・浦飯幽助が“霊界探偵”として数々の強敵と戦っていくのだが、そんな本作をモチーフにしたSFC作品こそ、1994年にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)より発売された『幽☆遊☆白書2 格闘の章』だ。

 “ビジュアルバトル”と呼ばれる独自のシステムを導入していた前作に対し、正当な格闘ゲームとして発売された本作。浦飯幽助はもちろん、桑原和真、蔵馬、飛影といった仲間たちや、幻海、朱雀、酎、陣、死々若丸、戸愚呂など、数多くのキャラクターが登場する。

 原作で使用されたほとんどの技を使用可能という点もさることながら、ダイジェスト映像や画像を利用して原作のストーリーを追体験できるようになっており、ハイクオリティなグラフィックも相まって、非常に再現度は高いといえる。とくにストーリーの進行具合によっては、修行をしていないために一部の技が使えないなど、原作の流れを楽しむことも可能だ。

 また、当時この手のキャラゲーにありがちだったバランスの悪さなどもなく、純粋な格闘ゲームとしてのクオリティも非常に高い。今でこそ当たり前になっているが、当時のゲームで“トレーニングモード”を搭載しているのも珍しく、プレイヤー側への配慮が光る点だ。加えて、本作オリジナルの戦闘BGMはハイテンポなものが多く、対戦をおおいに盛り上げてくれる。

 戦闘システムや再現度、BGMと、キャラゲーとしても格闘ゲームとしても、非常にハイクオリティな一作と言えるだろう。

 

 キャラクター同士の技をぶつけ合い戦う“格闘ゲーム”はバトル系の漫画とは非常に相性が良く、今回紹介したもの以外にも多くの作品が発売されている。格闘ゲームとしての駆け引きはもちろん、グラフィックやシステムを駆使した“原作再現”も見どころの一つだ。

  1. 1
  2. 2