何が書かれてた? 子どもたちをワクワクさせた「ファミコンの説明書」の世界【フジタのコラム】の画像
「ファミリーコンピュータ」の説明書(著者撮影)
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 こんにちは、ゲーム芸人のフジタです。近年、ファミコンソフトが高騰していることが話題となっておりますが、「箱」や「説明書」が美しい状態で残っているものは特に貴重。中には1992年のソフト『ギミック!』のように「説明書のみ」でも中古ショップやネットオークションで2万円以上という高値で取引されるものもあります。

 そもそも最近のゲームでは、パッケージ版でも紙の説明書がないのが当たり前になっていますが、以前はソフトに同梱された説明書を読むのも楽しみの一つでした。昭和のファミコン時代。当時はどの家庭でも、ゲームばかりしている子どもは親に怒られてしまうという時代でしたので、ゲームができないときは説明書を読んでは、操作方法だけでなくキャラ設定やアイテムの効力、マップなどを眺めて世界観を想像していたものです。

■子どもにも分かりやすく描かれたファミコンの説明書

 各ソフトの説明書を語る前にまず思い出すのが、ファミコン本体の説明書である「これがファミリーコンピュータだ!」でしょう。

 ファミコンの箱に入っているこの説明書は、わりと長めの漫画形式で書かれており、どうやって遊ぶかや、または注意事項などの基本的なことだけでなく、本体の内部がどうやってできているかまでがストーリーに沿って解説されています。当時流行っていた学研の「○○のひみつ」シリーズのような読み口で、当時の子どもたちを未知なるコンピュータの世界に誘い込んでくれました。堅苦しいものではなく、子どもにも分かりやすいように書かれた説明書でした。

 そうした新設設計はやはり各ソフトの説明書も同様。ファミコンで一番となる、約681万本を売り上げた『スーパーマリオブラザーズ』の説明書も分かりやすく書かれています。

 今でこそ『マリオ』がどんなゲームで、何をどうプレイすればいいかは常識ですが、説明書には「右スクロールのファンタスティックアドベンチャーゲームです」と記されています。単にアクションゲームと思いがちですが、正式には「ファンタスティックアドベンチャーゲーム」なんですね。

 キノコ一族とカメ一族にまつわるストーリー解説にはじまり、細かいボタン操作や、「実際に見えている画面の外側にも敵がいます」といった横スクロールアクションの基本的な設定などが書かれています。また、なぜブロックを叩くとキノコが出て、それを取るとパワーアップして大きくなるのかなども書かれてあり(仲間のキノコがレンガに変えられているという設定らしい)、最後のほうには「マル秘テクニック集」なんていうコーナーもありました。

 前述のように、ゲームができない時間にこういったページを隅から隅まで眺めては、次のゲーム時間までの対策をしていたという人は多いのではないでしょうか。

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