■「ジャスト1分だ」悪党には邪眼で悪夢を見させる『GetBackers -奪還屋-』の美堂蛮

 最後は、原作:青樹佑夜、作画:綾峰欄人による『GetBackers -奪還屋-』(講談社)に登場する主人公・美堂蛮だ。金欠でだらしない面があり、女性にセクハラまがいのことをするなどなにかと困ったヤツなのだが、仲間思いで頭脳明晰な一面もあるのが魅力だ。

 そんな蛮の代表的な必殺技が「邪眼」だ。これは相手に1分間の幻影を見せ、精神を崩壊させる効果がある。24時間以内に3回までで同じ相手には1度しか使えないというデメリットもあるが、動物や多勢の相手に同時に仕掛けることも可能だ。

 しかも精神崩壊させるだけでなく、使い方によっては幸せな幻覚を見させることも可能で、ちょっと感動する話も登場する。このあたりは一輝と違うところだろう。

 また決め台詞がカッコよく、「ジャスト1分だ いい悪夢見れたかよ」と、グラサンを直しながら登場するときには「おお」と唸ったものだ。バトルが全面的に強くなった中盤以降も面白かったが、筆者的には狸のように葉っぱをお金に見せて逃げ惑うような前半がとくに好きだったな。

 

 さて、幻術を扱う漫画キャラを紹介してきたが、どれも魅力的なキャラといえる。殺されても死なない一輝も凄いし、いい夢を見せてくれる蛮もカッコいい。なかでも筆者がとくに好きなのは、やはり漫画やアニメでも迫力満点の甲賀弦之介だな。

  1. 1
  2. 2