■元祖野球ゲームといえばアーケードでしょ! 本格的だったセガの『チャンピオンベースボール』
最後は、アーケードゲームで人気を博した『チャンピオンベースボール』(セガ)だ。初期は1人プレイ専用だったが(『チャンピオンベースボール2』からは2人対戦プレイ可能)、なにより選手データを搭載していたことが画期的だといえただろう。
12球団のチームを選ぶときに自分の好きな選手がアルファベットで表示されるのだが、チーム選択の制限時間が極端に短く、選手データと名前がすぐに一致しない。動画撮影もできない当時は、必死になって覚えようとしたものだ。自チームは選べるが、コンピュータはランダムで決定している。
選手が守備位置につくときに鳴る、“タタタタタタ…”という効果音が凄く好きだった。プレイボールで全体画面と分割してマウンドとバッターをアップした画面が表示されており、これもかなり斬新だった。
プレイヤーは先攻でコンピュータが後攻となり、1イニングでも点差が負けていればゲームオーバーとなる。「ストライクゥ!」や「アウトォ!」など、響き渡る審判の声がやけにリアルで印象に残っている。
最初は小刻みに点数を重ねることもできるのだが、3イニングあたりから急激にコンピュータが強くなっていった。筆者も頑張ってトライしたが、ワンコインでは絶対に試合終了まで持っていけなかったぞ。
小学校低学年だった筆者にとっては、何度もプレイできるものでもない。治安的なこともあり、親同伴で少し遊ばせてもらう程度だった。駄菓子屋に登場してからはより多く遊べるようになったのだが、それでも勝てなかったな……。
当時は野球ゲーム自体が斬新だったので、本当に楽しませてもらった。現代の子どもたちなら見向きもしないのだろうか……。寂しい限りだが、この記事を書いていると自然と当時の風景が蘇ってくる。
50円でお菓子が何個も買える時代、プロ野球カードはかなりお小遣いを貯めないと買えなかった。頑張って貯めておもちゃ屋で買ってから帰宅したとき、ドキドキしながら封を開けたものだな〜。