『プロ野球ゲーム』『野球盤』『チャンピオンベースボール』も…昭和時代に遊んだ“懐かしいレトロ野球ゲーム”の画像
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 3月にはWBC、そして現在はプロ野球も盛り上がりを見せており、野球が熱い時期に入ってきた。筆者はもちろん、高2の長男も野球を好きになり詳しくなってきている。長男は野球をやっていないものの、スマホアプリやテレビゲームでとにかく熱中している様子だ。

 筆者の幼少期はファミコンが出始めたばかりだったが、ファミコン以外で熱中した野球ゲームもいくつかあったものだ。そこで、リアルやファミコン以外で熱中した“昭和のレトロ野球ゲーム”を紹介したい。

■本格的な頭脳戦も! 一人でも十分遊べたタカラの『プロ野球ゲーム』

 1980年代に野球少年たちを虜にしたのが、タカラ(現:タカラトミー)の『プロ野球ゲーム』だ(1994年からは『プロ野球カードゲーム』に商品名称が変更された)。

 このカードゲームには本当にハマった。1球団30人の選手がワンセットとなっており、それぞれ表面には選手の特徴と前年成績、裏面にはサイコロの出目と打撃結果が表示されている。基本は2人で対決し本格的な頭脳戦を繰り広げるのだが、1人でも十分遊べるゲームだった。

 さて、出目は「1と1」から「6と6」まで21通りあり、「ホームラン」や「左中間2塁打」、「ファーストゴロ」など21種類の結果通りに進めていく。たとえば打撃側がサイコロを2つ振って2と3が出たとして、そこに「サードゴロ」と書いてあったら、その結果になるといった具合だ。

 ヒットやホームランはおもに前年成績が参考となっており、足の速い選手は盗塁の成功率(セーフ)が高くなり、打率がいい選手は安打が多く、30本塁打を放つスラッガーはホームランが4〜5つほどあった。前年あまり打たなかった選手はホームランの項目がなかったりもするのだが、ケガなどで本塁打がなかった選手の場合は通算成績を参考にされ、ホームランの出目があったと思う。

 野球少年だった筆者は、1人でよく遊んだものだ。何球団も集めてスコアブックの付け方も覚え、夢中になってサイコロを振っていた。なにより本当の試合のような結果になるので、このカードゲームを考えた人は天才か?と思ったものだ。

 ちなみに筆者は、このカードゲームと『プロ野球選手名鑑』(恒文社)、スコアブックを“三種の神器”とし、常にセットで遊んでいた。ファミコンを持っていない友人ともよく遊んだが、だんだんと『ファミスタシリーズ』(バンダイナムコエンターテインメント)で対戦するようになっていったものだ。

■“消える魔球”にはとにかく燃えた! 雨の日に家で遊んだエポック社の『野球盤』

 次は『野球盤』だ。種類はいくつかあったが、とくにエポック社の製品が人気だったようで筆者も持っていた。40年以上前(まだ幼児だったころ)に『原辰徳のパーフェクト野球盤B型』が欲しくて親に泣きついたことをいまだに覚えている(ちなみに阪神ファンである)。

 このボードゲームでも本当によく遊んだ。パチンコ玉のようなボールを投手にセットし、レバーを引いて投球すると、ボールが弾き出される。バッターはタイミングを計って打ち返すのだが、空振りもするしファールもあるしで、力がこもった。偶然にもホームランが出たときには、本当に嬉しかった。

 普段は公園や空き地で草野球をしていた少年時代だったが、野球盤は雨の日でも遊べるのが良かった。“消える魔球”の対戦はとにかく燃えたし、友達ともよく遊んだ。

 だが、カードゲームと違って外出先で遊べない難点があったうえ、ファミコンの登場によっていつの間にか1人で遊ぶようになっていった。ここでもまたスコアブックを片手に1人で熱中する筆者を見て、「どこまで本格的なんだ……」との呆れ声が親からも聞こえてきたものだった。

 しかも当時は、スコアブックなんて文房具屋にも売っていなかった。ネットショップなども当然ないので近所のスポーツ店で購入していたが、店主が同級生の親だったので気軽に買えてありがたかったな。おかげで小学3年のころにはスコアブックをマスターでき、少年野球では学年を超えてベンチ入りが可能な選手となっていた(万年補欠だったが……)。

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