『ゴルフ』『ポパイ』『ドンキーコング』も…親が一緒に遊んでくれた任天堂の“懐かしいファミコン初期ソフト”3選の画像
画像はファミコン用ソフト『ゴルフ』(編集部撮影)

 ファミコンを買ってもらったのは40年近く前になるが、あまりの嬉しさに飛び上がったことを覚えている。そしてファミコンで、よりいっそう嬉しかったのは、親が一緒に遊んでくれたときだった。

 筆者の少年期は、大人たちがテレビゲームにハマることが今よりも少なかった気がする。それだけに、親が一緒になってファミコンで遊んでくれるのは嬉しく、思い出に残っている。そこで、1980年代に大人でもハマった任天堂のファミコン初期ソフトを紹介しよう。

■世の父親たちがファミコンを許してくれた…シンプルだけど奥深い『ゴルフ』

 筆者世代はまさにファミコン時代とバブル時代の真っ只中だったこともあり、そこそこソフトも買ってもらえたものだった。はじめて買ってもらったソフトは『ベースボール』で、その際、父親がちゃっかり『ゴルフ』を買っていたことを覚えている。

 筆者と兄が率先して対決していると、ブラウン管には背後で微動だにしない父親の姿が映っていた。「やる?」と、さり気なく聞いてみたら、父親は意外にもコントローラーの扱いがうまかった。

『ゴルフ』は非常によくできたゲームで、1回目のボタンで動作に入り、2回目のボタンでショットの強さを、そして、3回目でインパクトの位置を決めてボールを打つ仕様となっている。慣れれば簡単なのだが、3回目のボタンのタイミングをミスしてしまうとポイントがずれてフックやスライスになってしまうことも。

 そして重要なのが、風だ。風の強さでボールの軌道が変わるので、計算しないといけない。カーブになっているコースや池のあるコースなど、飛ばすか刻むかというのも考えどころだ。ファミコン初期作品にもかかわらず、奥深く非常に面白かった。

 この『ゴルフ』で対決をすると、父親の笑顔が見られる。普段は怖い親父だったが、“ファミコンは面白いもの”として認識してくれていたようだ。ちゃんと宿題をやることが条件だったが、ファミコンで遊んでいても怒られなかったのは『ゴルフ』のおかげだろう。

■親が見ていたアニメキャラが主人公! ホウレンソウが特別に感じられた『ポパイ』

 ファミコンと同時に発売されたのが『ポパイ』だ。キャラゲーという概念もまだない時代だったが、アニメキャラのあのポパイがホウレンソウを取ると音楽が変わり、無敵状態に入るのでワクワクした。あの軽快な音楽を未だに覚えているから、不思議なものだな。

 1959年から1965年にアニメ放送された『ポパイ』を父親はリアルタイムで見ていたようで、ゲームを見ながら急に語り出してきたこともあった。筆者はあまり詳しくなかったが、ポパイとオリーブが恋人で、ホウレンソウを食べたらポパイが筋肉モリモリになることはなぜか知っていた。オリーブもよく別れなかったな……普通に変人だろう……。

 今では当たり前だが、父にとっては自分が若いころに見ていたアニメキャラがテレビゲームとして登場するなんて夢にも思わなかったのだろう。そういえば、筆者は一時期、ホウレンソウを食べると強くなると信じていたことがあったな。

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