■懐かしそうに時間をかけて語られた『ドンキーコング』

 最後は『ポパイ』同様、ファミコンと同時に発売された『ドンキーコング』だ。アーケードやゲーム&ウオッチでも人気の作品で、マリオがレディを救うべく活躍するアクションゲームだ。

 あれ? マリオが主役なのにタイトルが『ドンキーコング』なの?と、当時は思っていた。実際にマリオもドンキーコングを倒すというわけではなく、あくまでもレディを助けるため、ドンキーコングの妨害をクリアしていく。

 そして、このゲームをやると、またもや父親が登場してきて1976年に公開された映画版『キングコング』を語り出す。まあ、同じコングだが『ドンキーコング』と『キングコング』はまったく別物であり、関連はない。

 それでも父親にとっては、“コングつながり”なのだろう。熱く語ってくるものだから、聞かないとしょうがない。映画好きな父親だが、ほとんどジェシカ・ラングの素晴らしさを語っていた。……エロ親父め。

 まあ、でもこの『ドンキーコング』にも父親は感動していたな。ちなみにアクションゲームの腕前はまるっきりダメだった。

 

 さて、これらファミコン初期作品には大人も楽しめるゲームがあったものだ。当時の制作陣は、ゲームを欲しがるのは子どもでも、“お金を出すのは大人”ということを分かっていたのだろう。ここには入っていないが、『麻雀』にも父親は燃えていたな。

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