志穂美悦子のビジンダー、岡田京子のタックル、早川絵美のベルスター!戦う姿も美しい「昭和の特撮変身ヒロイン」たちの画像
『仮面ライダーストロンガー』DVD第1巻

 今期のスーパー戦隊シリーズ『王様戦隊キングオージャー』でも、カマキリオージャーのヒメノ・ランやパピヨンオージャーのリタ・カニスカの女性2人が占めており、番組内では彼女たちの美しさや強さをはじめ「ギャップ萌え」でも確実にファンを増やしている。また「男の子が見るもの」と思われがちな特撮番組を女性視聴者に親しみやすくしたのも、こういったヒロインたちの活躍が貢献しているのは間違いないだろう。

 今でこそ当たり前とされる彼女たちの存在だが、特撮創世期の昭和にも『秘密戦隊ゴレンジャー』の紅一点・モモレンジャーことペギー松山、『好き!すき!!魔女先生』でアンドロ仮面に変身した月ひかるなど魅力的な戦うヒロインたちがいた。ここでは昭和に多くの少年を、さらには少女さえ夢中にさせた「特撮変身ヒロイン」をふり返ってみたいと思う。

■マリの第3ボタンに当時の子どもがハラハラ!?『キカイダー01』ビジンダー役の志穂美悦子

 1973年5月より放送の『キカイダー01』で、ビジンダーの人間態・マリを演じたのが志穂美悦子さんだ。当時まだ高校生だった志穂美さんが、所属していた旧JAC創立者である千葉真一さんの後押しでマリ役を射止めた。

 アンドロイド態は頭部が赤いハートをかたどったデザインで、ハープを奏でながらの登場や金色の胸から放たれるレーザーなどいろいろと派手なキャラだった。一方、志穂美さんが演じるマリはどこか庇護欲がかきたてられるも、見事なアクションを披露するなど美しくもカッコイイ女性。そのためか、マリの変身ポーズ「チェンジ!ビジンダー」は子どもだった筆者も真似をした経験がある。

 とはいえ、本作におけるマリと言えばやはり「第3ボタン」だろう。彼女の体内には水素爆弾が内蔵されており、ブラウスの第3ボタンを外すことで爆発する仕掛けだ。そのうえマリには「激痛回路」も設定されているので、シャドウからの遠隔操作で苦しめられ、「胸をゆるめて(ボタンを外して)」と周囲に頼むことがたびたびあった。志穂美さんが演じる苦しむマリの姿を見て、テレビの前でドキドキハラハラした子どもたちは多いと思う。さらにはイチローにより不完全な「良心回路」まで設置され、人々を守るための行為が勘違いで逆に責められるなど、苦悩するヒロインでもあった。

 後に志穂美さんは歌手・長渕剛さんとの結婚を機に芸能界を引退し、現在はフラワーアートなどで活躍。彼女の美しさは67歳になった今も健在だ。

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